解説|9兆円規模の介入、ドル円は乱高下、インバウンドと輸出企業に光

円安に歯止めが効かない中、日銀は為替への介入を試みました。円安ドル高は日米の金利差によるものであり、構造的な変化が必要な状況です。一方、円安を背景に輸出企業とインバウンドには好機が訪れています。
NEKO TIMES 2024.05.03
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こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

ゴールデンウィーク(GW)を皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私自身は前半の連休で台湾・台北を初めて訪れました。京都のように区画が整理された町並みであり歩きやすく、食事も美味しく、改めて訪れたい場所になりました。今度はコーヒー(貴重なゲイシャ種)とウイスキー(カバラン社)をテーマに旅行を計画したいです。

一方でこのタイミングでの旅行は「円安」をまさに感じる形となりました。1台湾ドルはおよそ4.7円で、両替所では5.3円ほどで取引されます。例えば60分の足裏マッサージは1000台湾ドルで5300円、500mlのお茶は40台湾ドルで200円ほどでした。コーヒーは豆や淹れ方にもよりますが1杯100-300台湾ドルで500-1500円です。割高感さえ感じてしまいます。

旅行大手JTBによると、GW期間の海外旅行者数は52万人になる見通しです。前年からは1.5倍ですが、コロナ禍以前の水準55〜60万人までには一歩届きません。同調査によると生活者の意識が変化していることも見て取れます。

「仕事や会社の業績が悪化し収入が減りそうだ(13.6%)」の前年比伸び率は「仕事や会社の業績が良化し収入が増えそうだ(7.5%)」の同伸び率より高く、所得の厳しい状況がうかがえます。他方で、「先行きがわからないので、今のうちに大きな支出を考えたい(5.3%)」が増加しており、旅行を控えるまでの過渡期にあるような印象を受けます。

足もとでは日本人の出国者数はコロナ禍以前の水準に及びません。日本政府観光局(JNTO)の最新の発表によると3月の出国日本人数は約122万人となり、コロナ禍以前の2019年比でマイナス36.8%です。旅行者数の動向はエネルギー価格の高騰、為替相場、インフレなどの世界情勢や経済情勢が大きく関わるといえ、訪日外国外国人旅行者数の増加・日本人出国者数の減少トレンドはそう変わらないことでしょう。

さて、本日のニュースレターではインバウンド需要について、直近の為替の動向をフォローしながら考えていきましょう。

<本日のトピック>
・長引くインフレ、米国は金利維持
・円が急伸、日銀による為替介入か
・輸出企業とインバウンド観光業、円安が後押しに

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  • 長引くインフレ、米国は金利維持
  • 円が急伸、日銀による為替介入か
  • 輸出企業とインバウンド観光業、円安が後押しに

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