今週の相場見通し-危険な兆候が出てきた債権市場

5月3日から開催されるFOMCを通過すれば、ようやく金融引き締めの現実を市場は受け止めることになるでしょう。ゴールデンウイーク前の今週の相場は神経質な展開が予想されます。
猫組長 2022.04.24
誰でも

みなさんこんばんは、猫組長です。

ニューヨーク市場はいつ暴落が起きてもおかしくないほど気味の悪い動きです。東京市場は比較的穏やかでしたが、機関はやや慎重で個人はまだ強気なのかな?という印象を受けました。それでは先週のマーケットを振り返りつつ、今週の相場を考えたいと思います。

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18日:原油価格が1バレル109ドルを超えたことで消費が落ち込むという懸念が広がり、消費関連銘柄が売られ、長期金利が2.9%に迫ると収益改善の思惑から金融関連銘柄が買われる展開でした。バンク・オブ・アメリカ:BACのトレーディング収入が予想の-16%に対し-7.1%だったことが金融銘柄全般を後押ししました。ダウ平均株価終値は▼39.54の34,411.69ドル

19日:IMFが世界経済成長率見通しを3.6%に下方修正したものの、米欧経済にはリセッション懸念は無いとの見解を示したことでマーケットに安心感が広がりました。これまでの決算でS&P500企業の約8割が予想以上の利益となっていることも相場を押し上げる材料となりました。米長期金利が一時2.94%まで上昇、金融銘柄が買われる展開となりました。ダウ平均株価は3営業日ぶりに反発、終値は△499.51の34,911.20ドル

20日:Netflix:NFLXの決算が予想を大幅に下回り株価は35%の下落、IBM:IBMは売上高、1株当たり利益とも予想を上回り株価は7%の上昇と明暗を分けました。シカゴ連銀エバンズ総裁が講演で75bpsの利上げに支持を示さなかったことで、金融引き締め加速への警戒感が若干後退、米長期金利の上昇が一服すると市場に安心感が広がりました。このところ要人発言には市場を意識した様子が感じられます。ダウ平均株価終値は△249.59の35,160.79ドル

21日:35,259ドルと前日終値より100ドル近い高値で寄り付いたダウ平均株価は一時330ドル高まで上昇したものの、買い一巡後は売り優勢の展開となりました。IMF(国際通貨基金)の会合でパウエルFRB議長が、5月のFOMCにおいて50bpの利上げが「検討される」、さらに「もう少し迅速に動くことが適切だ」とも発言すると金融引き締めへの警戒感が一気に高まりました。発言を受けて長期金利が再び2.9%を超え、高PER(株価収益率)のハイテク株も大きく売られ相場を冷やしましや、ダウ平均株価終値は▼368.03の34,792.76ドル

22日:5月のFOMCで50bpの利上げは織り込まれたものの、パウエルFRB議長の発言から6月には75bp利上げが意識され始めました。短期金利は上昇しイールドカーブは再びベアフラット化、金融引き締め加速で景気後退懸念が高まりました。売一色となったニューヨーク市場は、ラガルドECB総裁の「中国が予想外のリスクになる可能性がある」との発言でさらに下げが加速する展開でした。ダウ平均株価終値は▼981.36の33,811.40ドル、S&P500は▼121.88の4,271.78ポイント、NASDAQは▼335.36の12,839.29ポイント

東京市場

18日:米長期金利が2.9%近くまで上昇したことや、ウクライナ情勢への警戒感から売り優勢の展開、前場では下げ幅が一時500円を超える場面も見られました。金利上昇で割高感が強い高PER(株価収益率)の銘柄が値を下げました。外国為替市場で円安が続いていることから、輸出関連銘柄は収益率が上がるとの思惑もあり、売一巡の後場からは下げ幅を縮めました。日経平均株価終値は▼293.48の26,794.71円

19日:前日のニューヨーク市場でSOX(フィラデルフィア半導体指数)が上昇したことで、半導体関連銘柄が買われる展開でした。外国為替市場で円安が一段と進行、輸出関連銘柄も堅調に推移し、日経平均株価の上げ幅は一時300円を超える場面もありました。しかし、節目となる27,000からは戻り待ちの売りに押されました。日経平均株価終値は△185.38の26,985.09円

20日:19日のニューヨーク市場で主要株価指数が好調だった流れを引き継いだ東京市場は、円安の追い風も手伝い上昇相場となりました。円安で恩恵を受けるトヨタなど自動車関連が買われ、およそ2週間ぶりの高値で取引を終えました。前場には一時400円を超える上昇も見られましたが、決算を見極めたいという様子見ムードも漂い上げ幅を縮小しました。日経平均株価終値は△232.76の27,217.85円

21日:ニューヨーク市場が堅調に推移し、日本時間の米株価指数先物も上昇していることから東京市場にも安心感が広がりました。米長期金利上昇が落ち着いたことも相場を後押しし、ハイテク関連の値嵩株を中心に買われる展開となりました。日経平均株価は3日続伸で約2週間ぶりの高値で取引を終えました。日経平均株価終値は△335.21の27,553.06円

22日:ニューヨーク市場で主要株価指数が揃って下落したことで東京市場はリスク回避傾向の強い展開でした。前日までの3営業日で750円を超える上昇だったことも利益確定売りを誘い、下げ幅は一時600円を超える場面もありました。米長期金利が上昇したことでグロース株が大きく下げ、相場全体の重石となりました。27,000を割り込む場面では買いが入り節目での硬さは意識されました。日経平均株価終値は▼447.80の27,105.26、TOPIXは▼22.85の1,905.15

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先週のマーケットで最も衝撃的だったのは20日のニューヨーク市場でNetflix株が35%下落したことです。1日で株価が35%下落し時価総額は500億ドル=6兆4千億円!も減少しました。これでNetflixの株価は220ドルほどになり、コロナ禍前の400ドルさえ下回りました。まさに緩和バブルを象徴する出来事だと思います。「緩和マネーで上がった株価は緩和マネーの引き上げで元の水準に戻るべき」というのが私の見解です。もちろん、緩和に関わらず業績を伸ばしそれが評価された企業は別ですが、Netflixなどは典型的な緩和銘柄は戻るのが当たり前です。緩和以前の株価水準より下落したのは、それまでの過大評価が修正されただけです。

債権市場はバブル崩壊を示している

Bloomberg
Bloomberg

先週は株、債権、コモディティー、全てが売られるという展開でした。ニューヨーク市場では先週1週間で200億ドル=2兆5千億円が引き上げられ、世界の債権価値は1週間で約5,200億ドル=67兆円も減少しました。それでもまだ実質金利の上昇を株式市場は評価しているように見えません。そして、注目の5月FOMC(連邦公開市場委員会)が5月3-4日に開催されます。日本はゴールデンウィークで東京市場は休場というタイミングです。5月FOMCで50bpの利上げは既定路線でマーケットも織り込み済みでしょう。私の注目点はインフレ抑制に必要な金利の中立水準をどこに置くかです。FRBは2.0~2.5%を中立水準として考えているようですが、米国のインフレ率から見てとても中立水準とは思えません。個人的には3.5~4%は必要だろうと思います。FOMCでこの中立水準をもっと高くするべきだという意見が出るかも知れません。そして6月FOMCで75bpの利上げを意識させるような発言があればマーケットも現実を直視するのではないでしょうか。とにかく5月FOMC通過後、ブラックアウト期間が終われば要注意です。

今週の相場見通し

日経平均株価は21日に335円高と大幅上昇、27,580円に達したものの、翌22日には447円下げて27,105円まで戻されました。ゴールデンウィークとFOMCを控えた今週は、持高調整と様子見で流動性が低いながらも不安定な弱気相場になるものの思われます。日経平均株価を日足チャートで見ると、現在の株価はローソクに5MAと75MAがかかっている形です。上値のレジスタンスには27,380円の25MAが控えていますがここには到達できないでしょう。

週明け25日の東京市場は前日のニューヨーク市場が大きく下げたリスクを吸収する展開になります。大きく下げた場面でも26,500円が意識されると買い戻される動きが予想されます。ニューヨーク市場も25日には自律的な反発とショートカバーで大きく戻すと思われますので、26日の日経平均は再び27,000円を目指す展開を予想します。ゴールデンウィークとFOMCが控えているため、ポジション調整も増えると思いますので反発は限定的、日経平均株価は結局27,000円を下回って今週の取引を終えるものと見ています。

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今年の夏は暑いようです。そこで今日は1916年(大正5年)に創立された株式会社セイヒョーに注目してみました。セイヒョーは8日、経営コンサルティング会社のウェルスブラザーズ(東京港区)と資本提携を締結すると発表しました。ウェルスブラザーズを引受先として第三者割当増資を行い約3億円を調達、事業の拡大を目指します。

株式会社セイヒョー
株式会社セイヒョー

セイヒョーと言えばこのカキ氷バー「もも太郎」が有名で新潟県の人なら知らない人はいないロングセラーです。私も新潟へ行った時に教えてもらいましたが、とても美味しくて今では大ファンです。ところが都内では表参道のアンテナショップまで行かないと購入できず残念に思っていました。今回、ウェルスブラザースがコンサルティングとして資本提携したことから販路の拡大も期待できますので、東京でも買えるようになれば嬉しいです。セイヒョーは冷凍技術や物流にも定評があり今後の成長が期待できる有料企業だと思います。

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編集後記

最近は夜に時間があると散歩がてらのウォーキングをしています。六本木の自宅周辺は各国の大使館が多いので、ロシア大使館を中心に各国大使館を見て回るコースにしています。ウクライナ侵攻以後、ロシア大使館近辺の緊張した空気がとても気に入っています。最近では毎日よっているので警備の警察官や大使館職員に顔を覚えられてしまいました。

そして、毎回大使館の様子をスマホで撮るようにしています。海外の一部の国では大使館にカメラを向けることを禁止していて、場合によっては身柄を拘束されることもあります。しかし、日本においては各国大使館の写真を撮ることが禁止されていません。法律的にも大使館の敷地に入らない限り写真撮影は問題ありません。

ところが、先日いつものようにロシア大使館の正面口を撮影していると警備の警察官が「写真を撮らないで」と叫びながら走ってきました。⬇️こちらの警察官がそれです。

NEKOKUMICHO
NEKOKUMICHO

写真を撮らないでと言うのでその様子も含めて写真を撮りました。写真撮影が法的に認められていてこの警察官にそれを制止する根拠も権限も無いからです。一応なぜ写真撮影を制止するのか聞いてみました。すると「この時期なので外交問題に発展する可能性があるので」との回答でした。猫組長が日本とロシアの外交問題になれば光栄なことです。「お前寝ぼけたこと言ってねえで警備してろバカ」の一言で終わりです。ロシア大使館の敷地内は治外法権でロシアの法律が適用されます。しかし、私は日本国籍を持つ日本人であり、日本の公道上で風景写真を撮っているだけなのです。この警察官が守るべきはこの私であるという認識が足りていなかったのです。もちろん、私が法令違反を犯していたり、ロシア大使館に損害を与えようとしていたなら、この警察官は私を制止するのが職務です。しかし、そうではありません。彼が心配すべきはロシア大使館関係者から私が危害を加えられないかなのです。

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猫組長TIMES 次号は4月27日です。

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