解説|株価上昇で沸く日米市場ー停戦・関税・FRBの複雑な構図
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今週のマーケットは久しぶりに明るいニュースに包まれました。イスラエルとイランの12日間にわたる紛争が、トランプ米大統領の圧力のもと、不安定ながらも停戦の効力を発揮し始めたのです。両国の過去最大の軍事衝突に終結への期待が高まり、テルアビブのベングリオン空港やイランの空域も再開されました。ペゼシュキアン大統領は「偉大な勝利」を、ネタニヤフ首相は「歴史的勝利」をそれぞれ宣言し、中東の緊張緩和への希望が見えてきました。
通商政策面でも好材料が続きます。米ホワイトハウスのレビット報道官は、上乗せ関税の一時停止措置について「7月9日の期限は重要でない」と発言。各国が合意案を提示しない場合でも、トランプ大統領が自ら税率を設定できるとの柔軟姿勢を示しました。期限延長の可能性も示唆され、貿易摩擦への懸念が和らいでいます。(NHK)
こうした好材料を受け、グローバル市場は一斉に上昇しました。26日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が前日比404ドル41セント高の4万3386ドル84セントと、2月下旬以来の高値で終了。S&P500種株価指数も取引時間中には2月の最高値を上回る場面もありました。この流れは東京市場にも波及し、27日の日経平均株価は4日続伸で前日比566円21銭高の4万0150円79銭と年初来高値を更新。1月7日の高値を上回り、ほぼ一方的な上昇となりました。
しかし、こうした表面的な好調さの背景には、より複雑な事情が存在しています。停戦は本当に持続するのか、関税交渉の舞台裏では何が起きているのか、利下げを求めるトランプ氏とFRBの溝は埋まるのか。本日のニュースレターでは、好材料に沸く市場の実態を、停戦の内実、関税政策の駆け引き、FRBを巡る政治的思惑の三つの視点から読み解いていきます。
<本日のトピック>
・中東停戦の実態と残る複雑な火種
・関税政策の複雑な駆け引きと残る火種
・FRBの板挟みと政治的圧力の高まり
[お知らせ] 5月より中沢氏が連載を始めた「NEKO BIZ」の6月のダイジェスト版の配信がありました。日米注目銘柄の分析記事も多数あります。今後、投資信託の分析記事も配信予定とのことです。7月には価格改定も予定しているとのことなので、詳細は記事(無料)をご確認ください。