解説|転換期の日米経済、新たな通貨秩序へ

日米の中央銀行が対照的な舵取りを見せる中、両国の経済は新たな局面へ。インフレと景気後退の狭間で、為替市場にも変化の波が押し寄せる。
NEKO TIMES 2024.09.20
読者限定

NEKO TIMESは、短期目線に振り回される投資家を救済することを目的に、マクロかつ中長期の視点からビジネス・経済や為替・株式市場の話題を取り上げます。投資家に限らずビジネスパーソンの方も数多くご登録いただき、21,000人を超える読者の皆様が購読するニュースレターメディアとして、成長を続けています。

サポートメンバー(有料会員)向け配信では、個別銘柄の値動きの解説も行い「売買の意思決定に直接関わる情報」を読者限定で配信しています。日曜日に配信する【猫組長|今週の相場見通し】では為替動向にも触れます。水曜日に配信する中沢氏が分析する日米株式情報も見逃せません。一部配信を有料読者に限定し、個別銘柄を解説しています。そして、有料版読者の皆様には特典として猫組長と直接交流できるオンラインライブイベントへご招待しています。

***

こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

世界経済が大きな転換点を迎えようとしています。日本銀行(日銀)、米連邦準備制度理事会(FRB)、そして欧州中央銀行(ECB)が、それぞれ異なる金融政策を打ち出したことで、国際金融市場に新たな波が押し寄せています。

日銀は9月20日までに開催された金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を決定しました。政策金利は0.25%程度で据え置かれ、7月の追加利上げによる経済・物価への影響を慎重に見極める姿勢を示しています。しかし、日銀は経済・物価の動向を注視しつつ、さらなる利上げの可能性も排除していません。

一方、アメリカではFRBが9月18日、0.5パーセントポイントの大幅利下げを発表しました。この政策金利引き下げは実に4年半ぶりのことで、その下げ幅の大きさは市場に衝撃を与えました。(ロイター)さらに、欧州では ECB が2会合ぶりとなる0.25%の利下げを決定しました。(NHK)この動きは、欧州経済の減速懸念に対応するものであり、世界的な金融緩和の流れを強めています。

これら主要中央銀行の対照的な金融政策は、各地域の経済状況の違いを鮮明に浮き彫りにしています。日本ではデフレ脱却と持続的な経済成長の実現を目指し、緩やかな金融引き締めの道を歩んでいます。一方、アメリカと欧州では景気後退への懸念から、積極的な金融緩和に舵を切りました。

これらの政策決定は、為替市場にも大きな影響を与えています。円高ドル安・ユーロ安の進行により、長年続いた円キャリー取引の終焉が近づいているとの見方も出ています。(ロイター)国際的な資金の流れが変化する中、投資家たちは新たな投資戦略の構築を迫られています。

さらに、こうした動きは日米欧だけにとどまりません。中国経済の減速懸念と相まって、新興国市場にも波及効果が及んでおり、世界経済の先行きに不透明感が広がっています。

本ニュースレターでは、これらの動向を詳細に分析し、今後の世界経済と金融市場の行方を探ります。主要国の金融政策の違いがもたらす影響、為替市場の変動、そして投資環境の変化について深く掘り下げていきます。

<本日のトピック>
・インフレと成長のはざまで、日銀慎重な判断
・FRB大胆な利下げを決断、景気後退を懸念
・日米金利差縮小と円高への道

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4847文字あります。
  • インフレと成長のはざまで、日銀慎重な判断
  • FRB大胆な利下げを決断、景気後退を懸念
  • 日米金利差縮小と円高への道

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
相場見通し|大統領選挙で全てが決まる
読者限定
解説|実感なき成長に終止符―"豊かさ"を問い直す転換点
読者限定
東京メトロ上場を終えて|大手証券会社との付き合い方について
サポートメンバー限定
相場見通し|衆議院選挙後のマーケット
読者限定
解説|世界経済アジアが牽引―資源価格に見る構造変化
サポートメンバー限定
東京メトロ上場|初値買い戦略後、売り時の考え方について
サポートメンバー限定
ZOOMミーティングアーカイブス
サポートメンバー限定
相場見通し|ASMLとTSMCどちらを信用するべきか