解説|「金利のある世界」暮らし・ビジネスはこう変わる

日本銀行は3/18-19に実施した金融政策決定会合で「マイナス金利政策の終了」などを決定し、金融引き締めへ舵を切る方針を発表しました。日本は「金利のある世界」に歩みを進めていきます。私たちの暮らしやビジネスはどのような影響をこれから受けるのでしょうか。
NEKO TIMES 2024.03.23
読者限定

NEKO TIMESは、短期目線に振り回される投資家を救済することを目的に、マクロかつ中長期の視点からビジネス・経済や為替・株式市場の話題を取り上げます。投資家に限らずビジネスパーソンの方も数多くご登録いただき、2,0000人を超える読者の皆様が購読するニュースレターメディアとして、成長を続けています。

サポートメンバー(有料会員)向け配信では、個別銘柄の値動きの解説も行い「売買の意思決定に直接関わる情報」を読者限定で配信しています。日曜日に配信する【猫組長|今週の相場見通し】では為替動向にも触れます。水曜日に配信する中沢氏が分析する日米株式情報も見逃せません。一部配信を有料読者に限定し、個別銘柄を解説しています。そして、有料版読者の皆様には特典として猫組長と直接交流できるオンラインライブイベントへご招待しています。

***

こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

日本銀行は今週行われた金融政策決定会合で大規模な金融緩和の一環としてマイナス金利の解除を決定しました。また、長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作(YCC:イールドカーブコントロール)の撤廃ならびに上場投資信託(ETF)の新規買い入れを終了する方針も決定し、金融緩和の正常化に向けて大きく舵を切ることになります。(時事

植田総裁は会見で「賃金と物価の好循環を確認し、2%の『物価安定の目標』が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」述べ、春闘における賃金上昇などをふまえて決定を行ったと説明します。一方で政策決定会合では2名の委員が経済状況をふまえて時期尚早として反対意見を表明しています。

ところでメディアでは"金融緩和の継続"のような文字も踊りますが、植田総裁は現在の経済情勢を考慮すると急激な変化はないことを説明するべく「緩和的な金融環境」という表現を使ったに過ぎません。NEKO ADVISORIES分析官・中沢氏は水曜日の配信(無料配信なのでどなたでも閲覧可能です。)で金融引き締めへの政策転換であることを強調します。

利上げであることから緩和から中立へ向かう”引き締め”政策であるということを認識しておかなければなりません。今後は、金融市場参加者が想定しているよりも引き締めスピードが早くなる可能性があるでしょう。株式投資としては、政策の正しさを問わずその政策によりどのような値動きになるかを想定して投資行動を起こす必要があります。
中沢隆太

さて、日本においてマイナス金利は2016年に導入されました。長らく"金利のない世界"が続いてきましたが、2024年は"金利のある世界"の幕開けとなります。私たちの暮らしやビジネスにはどのような影響を与えていくのでしょうか。

<本日のトピック>
・マイナス金利解除への反対意見を考える
・経済の流れを作る「金利」
・「金利のある世界」の暮らし

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3431文字あります。
  • マイナス金利解除への反対意見を考える
  • 経済の流れを作る「金利」
  • 「金利のある世界」の暮らし

すでに登録された方はこちら

読者限定
解説|米国債利回り上昇と株価の関係とは
サポートメンバー限定
GWは保有株を持ち越すべき?売るべき?現在の相場環境から最適解を考察し...
サポートメンバー限定
相場見通し-セリングクライマックスはいつくるか
読者限定
解説|中東の危機、原油価格は上昇か-日経平均は1000円安に
読者限定
地政学リスクによるリスクオフ相場-底打ち目処の水準はどこか
サポートメンバー限定
相場見通し-地政学リスクに揺れる日米市場
読者限定
解説|米CPI発表と円安の加速ーなぜ為替が動くのか
読者限定
時価総額特集第二弾-日本国内における時価総額ランキングの展望を解説しま...