解説|試される日銀のコミュ力-為替と金利はどう動く?
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こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。
内閣府が8日に発表した7-9月期の国内総生産(GDP)の2次速報は1次速報から下方修正されました。年換算では2.9%のマイナスとなり、1次速報2.1%から0.8ポイント減となりました。詳細を確認すると、設備投資は上振れ、個人消費は下振れ、外需寄与度は横ばいです。今回の発表でも引き続き「内需」の弱さが目立ったといえます。
また、同日、厚生労働省が公表した10月の毎月勤労統計(速報値)によると実質賃金は前年比2.3%減少しています。実質賃金は19カ月連続のマイナスとなりました。なお、現金給与総額は前年比増となり、名目賃金は増加していることが確認されました。
引き続き、日本経済は内需の弱さと、物価上昇に賃金上昇が追いつかない状況が続いています。足元の指標ではまだまだ日本経済は復活への道半ばと言わざるをえません。
一方、日銀は"金融政策の出口戦略"について市場とどのようにコミュニケーションを進めていくのかという点で難しい舵取りを迫られています。これまでも、日銀発表前に金融政策に関連する情報がリークされる結果となり市場の混乱を招いていました。7日に行われた参議院財政金融委員会で日銀総裁植田氏は「情報管理を徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていく」と語ります。
しかしながら、同委員会後、8日にかけて円は急騰する結果となりました。無論、このような動きは日銀(日本)の動向で決まるわけではありません。各国中央銀行のスタンスによって形成されていきます。
本日のニュースレターでは、日本・米国の経済状況や金融政策に関する市場との対話を振り返りながら、今後の金利動向や為替の動向について考えてみましょう。
<本日のトピック>
・利上げは時期尚早?日銀の市場対話
・米国経済は息切れか、デフレへ反転
・日米金利差と為替の動き