解説|ホルムズを握るイラン、亀裂の入る西側
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NEKO ADVISORIES 岩倉です。生活のあちこちで、じわりとコストが上がっています。
4月に入り、スーパーの棚で「価格改定」のシールを目にする機会が増えていないでしょうか。今月だけで主要食品メーカー195社が2,798品目を値上げしました。マヨネーズやドレッシング、食用油(参考:食品新聞)、即席麺、缶詰と、食卓に並ぶ品々が軒並み値上がりしています。企業が値上げの理由として挙げるのは、原材料費、物流費、エネルギーコストの三重苦です。生産から店頭まで、あらゆる工程でのコスト増が価格に押し出されてきた格好です。(ロイター)

その一方で、ガソリンだけは落ち着いて見えます。3月末時点の全国平均はレギュラーで1リットル170円台。ただしこれは、政府が過去最高額となる1リットルあたり49.8円の補助を投じて抑えている価格です。補助がなければ220円を超える計算になります。(時事通信)電気・ガス料金も同じ方向を向いています。支援策が3月末で打ち切られ、標準的な家庭の年間電気代は今年度だけで約1万5千円上昇するとの試算があります。(ロイター)日本銀行の政策委員が日本経済は「インフレへと転換」したと述べるほど、物価の変化はもはや一時的な現象ではなくなっています。 (時事通信)
こうした生活コストの上昇を引っ張っているのが、中東情勢です。WTI原油先物は4月2日に前日比11%高の1バレル111ドル台に急騰し、欧州指標のブレント原油を上回るという異例の事態が起きています。ホルムズ海峡をめぐる緊張が、エネルギー市場を揺さぶっているのです。アジアが輸入する原油の約9割、LNGの8割超がこの海峡を通過しており、その動向は日本にとっても対岸の火事では済みません。(日経)
イランとアメリカの軍事衝突は現在も続いています。トランプ大統領は「紛争終結は近い」と述べる一方で「今後数週間で事態が悪化する」とも警告するなど、発言の一貫性を欠いた状態が続いています。(BBC)そして今週、この緊張の中でもう一つの亀裂が鮮明になりました。フランス、イタリア、スペインはアメリカの対イラン軍事作戦への領空・基地の使用を拒否。(ロイター)トランプ氏が同盟国を「臆病者」と切り捨てる中、専門家はNATOが創設以来最大の危機に直面していると指摘しています。
石油をめぐる攻防は、価格の問題にとどまりません。今週のニュースレターでは、各国の思惑が交錯し、長年の同盟関係も揺らぐ構図にメスをいれていきます。
<本日のトピック>
ホルムズを握るイランの計算
「臆病者」と呼ばれた同盟国
ウクライナに転じるロシア
エネルギーの先にある争奪戦
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