解説|マイホーム1億円時代の資産戦略

首都圏マンション価格が1億円を突破し、金利上昇も重なる中、住宅市場は根本的な変化を迎えている。
猫組長 2025.08.23
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NEKO ADVISORIES 岩倉です。不動産デベロッパー大手の決算発表が相次ぎ、業界の好調ぶりが際立っています。ところが、こうした業界の活況は裏を返せば不動産価格の異常な高騰を物語っています。

三井不動産は第1四半期で過去最高となる純利益1242億円を記録し、前年同期比で実に91%の増益となりました。(日経新聞)三菱地所も319億円の純利益を上げ、住宅事業では営業利益が7倍増という驚異的な伸びを見せています。住友不動産を含む大手各社が軒並み最高益を更新する背景には、都心部での高額物件販売とオフィス賃料の上昇が大きく寄与しています。(日経新聞

東京都の新築マンション価格は今や平均9000万円に迫り、東京23区では1億円を優に超える水準まで押し上げられました。(NHK)中古市場も例外ではなく、東京23区では3カ月連続で1億円台を維持しており、もはや一般的な勤労世帯には手の届かない価格帯へと突入しています。(東京カンテイ)特に、都心6区においては、中古マンションでもおよそ1.7億円まで過熱しています。千代田区が業界団体に転売規制の強化を求める異例の要請を行ったことは、行政側の危機感の表れと言えるでしょう。(ロイター

本日公表された全国消費者物価指数は8カ月連続で3%台の上昇を続け、食料品からエネルギーまで生活に欠かせないあらゆる分野でインフレが加速しています。(ブルームバーグ)まさに衣食住すべてにおいて、私たちの生活基盤が根本から変わろうとしているのです。

そして今、日本は金利上昇という新たな局面に差し掛かっています。住宅購入検討者の8割以上が金利上昇を予想し、半数を超える人がローン返済に不安を抱いている現実があります。(野村不動産)不動産価格の高騰と金利上昇が同時進行する中で、住宅市場は果たしてどのような変貌を遂げるのでしょうか。本日のニュースレターでは、金利上昇局面の住宅市場にスポットライトをあて、私たちの暮らしのこれからを考えます。

<本日のトピック>
・供給制約が生む価格高騰の構造
・金利上昇がもたらす住宅市場の変容
・マイホーム1億円時代の資産戦略

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続きは、4144文字あります。
  • 供給制約が生む価格高騰の構造
  • 金利上昇がもたらす住宅市場の変容
  • インフレ時代の不動産投資戦略

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