解説|日米金利差縮小への地ならし-株価は史上最高値へ
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NEKO ADVISORIES 岩倉です。8月15日、80回目の終戦の日を迎えました。世界各地で数千万もの尊い命と苦難の歴史のもとに、いま私たちの生命・生活があることを敬意と哀悼の心をもって感謝したいと思います。
さて、東京株式市場では実に象徴的な出来事が起こりました。日経平均株価が729円5銭上昇し、4万3378円31銭で引け、13日に続いて終値ベースでの史上最高値を再び更新したのです。東証株価指数(TOPIX)も史上最高値を記録しました。
この株価上昇の背景には、同日朝に発表された4-6月期のGDP統計があります。実質GDP成長率は前期比年率1.0%増と市場予想(0.4%増)を大きく上回り、日本経済は5四半期連続のプラス成長を達成しました。設備投資が1.3%増加し、輸出も電子部品デバイスや自動車に牽引されて2.0%増となりました。外需の寄与度も2期ぶりにプラス0.3%に転じています。(ブルームバーグ)

為替市場では前日から円高基調が続き、一時1ドル=146円台まで円が上昇。ベッセント米財務長官の大幅利下げ発言や、日銀の追加利上げ観測が日米金利差縮小への期待を生み、ドル売り・円買いが加速しました。円安修正と堅調な経済指標が輸出企業への投資を呼び、株価押し上げの要因となったのです。
一方、武道館では石破総理大臣が全国戦没者追悼式で式辞を述べ、12年ぶりに「反省」という言葉を用いて戦争への深い省察を示しました。戦後80年を迎える中、平和国家としての歩みと現在の経済的繁栄が、310万人の戦没者の犠牲の上に築かれていることを改めて確認する日となりました。
終戦の日に株式市場が史上最高値を付けるという現象は、戦後復興から現在に至る日本経済の軌跡を物語っています。本日のニュースレターでは、戦後80年の経済成長の軌跡、金融政策転換の歴史的意義、そして日米金融政策の分岐が描く新たな投資環境について、3つの視点から分析してみたいと思います。
<本日のトピック>
・焼け野原から経済大国へ
・75年ぶりの本格利上げ局面
・日米金利差縮小の号砲