円安の追い風もあり日経平均は29,000円台に

恒大集団をはじめとする中国リスクが膠着状態となる中、米国の早期利上げが意識され円安が進みました。およそ3年ぶりの1ドル114円台で輸出関連株が買われ、日経平均株価を押し上げました。
NEKO TIMES 2021.10.17
誰でも

みなさんこんにちは、猫組長です。

以前から自宅に営業電話が多く「なんでだろう?」と思ってい他のですが、電話の移転手続きをしてその謎が解けました。代官山へ架設した時に電話帳への掲載がされていたからなんですね。渋谷区から港区へ引っ越すと電話番号が変わるので、その手続きを行う段階でそれが分かりました。

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恒大集団のデフォルト危機に端を発した中国不動産リスクは、着々とそのエネルギーを蓄えている状態です。中国の不動産開関連企業が抱える債務は33兆5千億元=約590兆円と推計され、今後デフォルトが連鎖していくものと予想されます。

ニューヨーク市場、東京市場の1週間を簡単にまとめてみました。それでは、先週のマーケットを振り返りつつ今週の相場を考えてみましょう。

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Bloomberg

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ニューヨーク市場

11日:WTI原油先物価格(11月物)が約7年ぶりに1バレル82ドル台をつけると、原油・エネルギー関連に買いが入り一時34,951ドルまで上昇しましたが、買い一巡後は売りに押されダウ平均株価は前日から続落。終値は前週末比-250.19の34,496.06ドル

12日:翌13日に発表される9月のCPI(米消費者物価指数)やFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨の公表を控えた様子見ムードの展開。13日からJPモルガン・チェースをはじめとする9月期決算の発表が本格化することも投資家を慎重にさせました。ダウ平均株価終値は続落で前日比-117.72の34,378.34ドル

13日:JPモルガン・チェースの7~9月期決算が、市場予想を上回る増収増益にも関わらず株価が3%近く下落、半導体不足の影響で生産目標を引き下げたアップルも売られました。CPI(米消費者物価指数)は前年同月比5.4%と前月の5.3%から0.1%の上昇、これを受けて米国長期金利が1.52%まで低下しました。こうした経済情勢で株価は小動きとなり、ダウ平均株価は前日時-0.53%の34,377.81ドル

14日:主要企業の決算が市場予想を上回りダウ平均株価は5営業ぶりに反発。米新規失業保険申請件数が29.3万件と市場予想の31.8万件を下回ったことで、雇用の回復が意識されことも好感されました。9月のPPI(卸売物価指数PPI)は前月比0.5%上昇と市場予想の0.6%も下回ったことでインフレ懸念も若干後退したようです。PPIを受けて米長期金利は一時1.50%まで低下したことも株価を押し上げました。ダウ平均株価は前日比+534.75の34,912.56ドル

15日:9月の米小売売上高が前月比0.7%増と市場予想の0.2%減を大きく上回ったことや、ゴールドマン・サックスの7〜9月期決算が好調だったことでダウ平均株価は続伸しました。米長期金利の上昇と好決算で金融セクターの株がニューヨーク市場を牽引した印象です。主要指数はダウ平均株価が前日比+382.20の35,294.76ドル、S&P50前日比+33.11の4471.37ポイント、NASDAQ前日比+73.91の14,897.33ポイントで週末の取引を終えました。

ダウ平均株価は上値を抑えられていた75MAを力強く上抜けました。大きな節だった35,000ドルを超え35,500を窺う勢いです。中国リスクとインフレ懸念が再燃するまでには、8月16日に付けた35,631ドルの市場最高値も近々更新するでしょう。

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東京市場

11日:前週末からの流れを引き継いだ東京市場は3日続伸。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことで輸出関連株が買われたのも株価を押し上げました。深刻な電力不足が懸念されていた中国では、当局の対応が評価され、当面のリスクが後退したとの見方が拡がり相場を後押しました。金融所得課税の見直しも「当面は触ることは考えていない」と岸田首相が発言したことも市場は好感したようです。日経平均株価終値は前週末比+449.26の28,498.20円

12日:前日のニューヨーク市場で主要株価指数が下落したことや、上値抵抗である75MAの28,500円に阻まれた日経平均株価は4営業日ぶりに反落。WTI原油先物価格(11月物)が約7年ぶりに1バレル82ドル台を付けたことで、国内企業のコスト増が懸念されたことも嫌気される展開でした。日経平均終値は前日比-267.59の28,230.61円

13日:IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しについて2021年の実質成長率を5.9%に引き下げたことと、世界的なインフレへの警戒を呼びかけたことなどで米国市場、東京市場とも続落。日経平均株価終値は前日比-90.33の28,140.28円

14日:国内では衆議院が解散され、経済対策など新政権への期待が高まったように見えます。前日の米国市場で米長期金利が1.52%まで低下したことも相場を後押ししました。75MAの28,500円近辺では揉み合う展開に変わりなく、この水準では売りも増えました。日経平均株価は前日比+410.65の28,550.93円

15日:9月の米小売売上高やゴールドマン・サックスの好決算で大幅上昇した米国市場の流れを受けた東京市場は大幅続伸。外国為替市場で1ドル114円台と、およそ3年ぶりの円安・ドル高が進んだことも相場を後押ししました。これまで上値の抵抗であった75MAも明確に上抜き29,000円台を回復しました。週末の日経平均株価終値は前日比+517.70の29,068.63円

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今週の相場見通し

日経平均株価をテクニカルで見ると、強いレジスタンスだった75MAを大きく上抜き、終値では200MAの上にも乗りました。なだらかな右肩上がりの200MAを10月14日に下抜けてから反発の後、再び200MAを上抜いた点に注目します。25日移動平均乖離率、RSI(14)ともニュートラルに近い位置にあり、9月27日からの下落に対する反発はまだ続くものと思われます。

29,300円辺りに25MAがレジスタンスとして意識されるでしょうが、このラインは上抜けて29,500円が上値の目処になるのではないでしょうか。恒大集団のデフォルト危機も膠着した小康状態にあり、再びリスクが顕在化するまでには時間がありそうです。下値も今までレジスタンスだった75MAが、今度は強いサポートして機能するでしょう。

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編集後記

都道府県魅力度ランキングで群馬県が44位となったことで山本一太知事が怒っています。「根拠の不明確なランキングで魅力がないという誤った認識が広がることは県民の誇りを低下させ、経済的損失につながる。内容を精査し、法的措置も検討する」と鼻息も荒い山本知事ですが、なにをムキになって怒ってるんですかね。群馬なんだから妥当なんじゃねえのという感想しかありませんし、そもそも魅力度ランキングになんの根拠も信頼性もないでしょう。

私が群馬で思いつくのは草津温泉と伊香保温泉くらいです。それでも箱根温泉が地球上に存在する限り、草津や伊香保が関東で一番の温泉地になることはありません。他にこれといった魅力がないのも事実ですし、こんなことでキレる知事がいること自体が群馬の限界だと思います。

地域ブランドNEWS

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都道府県魅力度ランキングなど、普通に考えて東京がダントツで一位なのは間違いありません。北海道、京都、沖縄が上位3位を占めているのは、単純に旅行先として行きたい場所というだけじゃないでしょうか。

そもそも地方都市をランキングすることがナンセンスなのです。山本一太知事がキレているのは、おそらく前回21位から12位に上がった千葉県への妬み僻みなんじゃないかと思います。もう黙って耐えている埼玉や茨城が哀れでなりません。群馬県が恨むべき相手は横浜市と箱根温泉がある6位の神奈川県です。

さて、今月末に代官山から六本木への引越しが決まりました。これで私もようやく港区民になってキラキラ港区女子の仲間入りです。私は都心部の賑やかな場所へ住むのが好きです。それは自由と孤独を楽しめるからです。「究極の自由」とは孤独です。賑やかな都会に身を置くことで、孤独を際立たせることができるのです。何もない山奥での孤独は、本物の孤独なので寂しいだけです。手を伸ばせばそこになんでもある贅沢な孤独こそ、私の求める「究極の自由」なのです。

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PBR0.49倍、EV充電器で注目しています。

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猫組長TIMES 次回は10月20日、中沢隆太氏による記事です。

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