日米株の反発はいつまで続くか。これからの展望と先週の推奨銘柄の振り返り。

2月2日の日経平均は大きく反発し、4営業日続伸となりました。利上げやウクライナ問題などリスク要因が山積みのマーケット環境の中でこの反発はいつまで続くのか、考察してきたいと思います。
猫組長 2022.02.02
誰でも

第23回の配信では

日米株の反発はいつまで続くか。これからの展望と先週の推奨銘柄の振り返り

をお伝えしていきたいと思います。

また、記事の最後には猫組長による編集後記があります。今回も最後までお読みください!

猫組長TIMESではニュースレターを定期配信しています。まだ購読登録していない方はご登録の上、お読みいただければ幸いです。

以下、

◆本日のマーケット

◆先週の推奨個別株について

◆ネットフリックスは買うべきなのか

◆今後の相場見通し

を考察した内容となっております。購読登録していない方はご登録の上、お読みいただければ幸いです。

◆本日のマーケット

日経平均 日足 3ヶ月チャート

2月2日の日経平均は27,533.60円前日比 +455.12 (+1.68%)と大幅に上昇、4営業日続伸し取引を終えました。寄り付きは、1日の米国株式市場で主要3指数、特にハイテク株を中心とした上昇に追随する形で、広範囲に買いが先行しました。その後も米ナスダック100指数先物が高く上昇していたことを背景に、さらに続伸した形となりました。これまでお伝えしていたように、米国は指数以上に成長株の調整は進んでいたことで、本来の価値とかけ離れている企業が多く存在していたため、決算というイベントをきっかけにそのギャップが見直され強い買い戻しを促したという結果でしょう。

日経平均のチャートとしては、25MA、50日MAに蓋をされていることや、これまで強いサポートラインであった27000〜28000台の節目が抵抗線になってしまっている点、8月から持ち合った三角持ち合いを下に割れたことなどを考慮しても決してポジティブに捉えるべきでは無いと考えております。今はあくまでも売られすぎた分の短期的なリバウンドであり、買うタイミングというよりは、下落時に買付したものの売却のタイミングを模索すべき場面だと思われます。

◆先週の推奨個別株について

現在、猫組長TIMESでは日曜日配信の猫組長によるマーケット見通し、私の推奨銘柄など個別銘柄に触れるものが有料限定公開の記事となっております。有料記事の内容などのようなものかわからない方も多くいらっしゃるかと思いますので、本日は先週に初の有料限定記事として配信した「下落中の今だからこそ拾っておきたい銘柄」で紹介した銘柄の内容にについてご紹介していきたいと思います。

その内容をご確認いただき、有料購読の判断材料の一つにして頂ければと思います。また、個別銘柄に触れる記事以外にも引き続きしっかり質の高い情報をお伝えしていけるよう取り組んで参りますので、併せてよろしくお願い致します。

まず先週の記事の中では、マーケット全体は米国の大幅下落に連れる形で下落してしまっており、もちろん米国大手ハイテク企業の決算、それに加えウクライナ情勢の緊迫などリスク要因が山積みのマーケットではあり、引き続き市場の雰囲気はいいものではありませんが、個別的要因ではなく、全体相場に一緒になって下がってしまっている今だからこそいい銘柄を拾うチャンスであるとお伝えしました。

その中で挙げた銘柄としては以下の3銘柄です。

AGC 

日本郵船

③ライムライトネットワークス(LLNW 米国株)

既に有料登録している方にとっては同一の文章になってしまっているため、一部抜粋して記述させて頂きますが、それぞれの要因としては

AGC(好業績かつ、世の中の流れはAGCに追い風。)

【第3四半期の決算内容は非常に強いものであったものの、発表当日は前日比180円(3.1%)安の5680円まで下落しておりました。当時は高値圏で推移していたこともあり、バリュエーションの観点から新規の買いが利益確定の売りをこなすことが出来なかったことが下落の要因でした。それから、日本市場の軟調さにつれる形で数ヶ月ほど下落トレンドを継続し、現在は5000円あたりと高値から1000円ほどの水準となっております。第4Qの決算発表は2022年2月8日予定ですが、第3Q時点での経常利益の進捗率は89%であり、業績と現在の株価水準が一致していない企業の一つであると思われます。個別的な悪材料がなく、下落しているかつ、業績の裏付けがあること、前回の好決算を受けての期待感が株価に反映していないと思われる点は大きなプラス材料ではないでしょうか。】

➡︎AGCは2月8日に決算発表を控えております。22日付の日本経済新聞朝刊で、「2021年12月期の連結営業利益が前期比2.7倍の2050億円程度になったことがわかった」と報じられており、会社側の従来予想を50億円程度上回るとされております。また、建材に使う塩化ビニール樹脂など化学品の販売が好調なほか、建築用ガラスの需要も復調しているとのことです。基本的に私は決算を跨ぐ取引はできるだけしないようにしておりますが、現在のような、全体マーケットに好業績企業も含め連れ安してしまっている場合は、好業績企業にとっては全体とは別に個別銘柄として注目してもらえるチャンスでもあります。金融相場から業績相場へ転換している現在だからこそ、長期目線でも期待できる銘柄だと考えております。

日本郵船(面白味はないが市場のムードが悪いからこそ、割安・高配当株へ資金が投下されるであろう

【推奨するポイントとしては2つございます。1つ目は、常々お伝えしているように、株式市場の雰囲気が芳しくない状況下であること、米国の金融縮小を皮切りにグロース株への資金流出が続いていくことから一度資金がバリュー株、配当株に流れていくという点です。日本郵船の1月26日時点での配当利回りは9.7%あり、日経平均の前期基準平均配当利回り(約1.7%)と比べるとその凄さがお分かりいただけるかと思います。また、日本郵船よりも高配当株はいくつか存在しますが、その中でも日本郵船を推奨する理由としてはやはり市場の注目度の高さです。高配当株であっても市場から注目されずに割安のまま放置されていれば、配当以上に評価損が膨らみ、投資効果を著しく低下させてしまいます。現在のような相場状況で高配当株へ投資するのであれば、配当の高さは勿論のこと、市場の関心度の高さという部分も投資する上で重要になっていきます。

2点目としては、現在の株価のバリュエーションです。日本郵船の株価は、夏頃から大きく上昇を続け、11000超えを高値に調整局面入りしました。その後、反発したものの、1万円という節目の大台に跳ね返される形で推移しております。今の株価水準は全体相場に押される中、日足の50日線、週足の25日線それぞれの下限ラインに位置しており、この水準で自律反発していくと思われます。買うタイミング、株価水準としては申し分ないように思います。

また、配当権利つき最終日を1ヶ月後に控える中、これから権利日に近づくにつれ配当目当ての買いも入っていくことでしょう。そこまでに株価が上昇するようであれば、権利前に売却することもできますし、そのまま配当を取ることもできる点は、現在の下落相場における正攻法でしょう。全体相場に連れ安する中、値動きを見る限り、3月配当を見越した買い注文はまだ強く入っていないと考えられる為、面白い投資ではないですが、ポートフォリオに入れておくべき銘柄だと考えます。】

➡︎推奨後、1週間で1200円ほど上昇しました。個人的にも短期間でここまで上がるとは思っておりませんでしたが、記事をみて買付頂いたからは喜んで貰えたのではないでしょうか。引き続き日本郵船のように割安であり、好業績かつ、高配当株へ資金が流入していくと思われます。これまでの相場は下落時にハイテクを買った方が良かった相場ですが、これからは一旦、全体相場に連れて下がっている場合は、割安、好業績、高配当に注目し、安値を拾うことで投資効率を上げられるマーケットだと考えております。

引き続き、こういった銘柄をご紹介出来るよう取り組んで参ります。

③ライムライトネットワークス(LLNW 米国株)

○コロナ相場で注目されずだったからこそ買っておきたい伸び代の大きい企業

→【ライムライトは世界で1,500社以上のIT、エンターテイメント、ソフトウェア、テクノロジー関連の顧客が、自社のブランディングの深化やクライアントとのリレーション向上、インターネット広告の最適化や自社デジタル資産の収益化を実現させる役割を担っております。私たちのようなエンドユーザーが、ホームページを閲覧したり、動画視聴したり、ゲームアプリケーションを利用する機会は近年爆発的に増えておりますが、ダウンロードが途中で切断されてしまったり、時間がかかったりし、イライラすることは誰しも経験しているのではないでしょうか。この問題は、4Gから5Gへの移行によって通信速度や通信容量は劇的に進化したものの、今後のコンテンツのバージョンアップを考えると、さらに進化が必要とされております。ここで重要なことは、多くのコンテンツのバージョンアップに必要とされるのは通信速度・通信容量を極大化するだけ解決されないということです。将来的に6G、7Gとなったとしても、配信する側のコンテンツがスマート化されていなければならないのです。

ライムライトネットワークスはそのコンテンツを配信する側の質を向上させるための、ソフトウェアの開発からソリューションの提供をしている企業です。また、それだけでなく同社のクラウドセキュリティサービスは、ウェブアプリケーションやコンテンツ配信のパフォーマンスに悪影響を与えずに、ウェブサイトへの攻撃やコンテンツへの不正アクセスを阻止し、悪意のあるトラフィックを大量に送りつけてオンラインサービスを妨害するDDoS(Distibuted Denial of Service: 分散型サービス妨害)攻撃を検知してCDN内で影響を緩和し、ウェブサイトを保護しております。

現在の株価水準であればいつでも買ってもいいと思える状況のように思います。株価的にはコロナ相場であまり恩恵の受けることのなかったからこそ、下落率は限定的であり、日の目を浴びれば上昇のスピードはかなり早いものになるのではないでしょうか。】

➡︎ライムライトは推奨後、少し値下がりした形となりました。しかし、ライムライトはコロナ相場でもあまり反応していなかったことから、下落余地の小さい銘柄だと考えております。そして、前述したように今後テクノロジーが次々に進化していく中で、ライムライトの事業内容は追い風を受けると思われ、この安値だからこそ、時間に物を言わせて投資することのできる銘柄の1つだと考えております。

◆ネットフリックスは買うべきなのか

ネットフリックスの決算後の大暴落以後、多くの方から今後どうなるのか、買っていいのかというご質問を頂きましたのでその際にお伝えしていたものを皆様にも共有したいと思います。

ネットフリックスは業績等は市場予想を上回ったものの、新規の会員獲得数の伸びを嫌気され下落しました。しかしこれは後付けの理由であり、利上げが焦点になる中、売りの材料にされたというのが本音でしょう。決算当日は30%近く下落しておりましたが、実際のところ決算内容は数%下がる程度の内容では無いでしょうか。そして最高値からは半値程度まで下落しました。コロナの恩恵を受けていて、EPSではなく、PER先行で上がっていたのも事実ではありますが、コロナの前の水準まで下がることは非常事態であると思っております。

例えばワクチン銘柄など、本当にコロナだけで上がった銘柄はもっと下げてしかるべきですが、コロナがあってもなくてもネットフリックスの成長性は変わりませんし、その成長スピードがコロナによって少し早まっただけというのが適切な言葉ではないでしょうか。

早まった分の調整はあってもいいと思いますが、今の株価はコロナで獲得した利益、登録者数を全て無かったことにしたのと同じ意味であり、このギャップは時間が埋めると強く感じております。

ただ、この明確なギャップが存在していてもすぐに解消されないのが株の面白いところですが、時間をかけてこのギャップは必ず解消されることでしょう。現に2018年に決算ショートしたエヌビディアと、期待先行で一旦買われすぎたスクエアは利上げを理由に半値になっております。しかし、そのギャップは時間が解消し、その後何倍にもなっております。これはアメリカ株のいい意味での高ボラティリティと、やるときは徹底的にというアメリカ人らしい値動きだと思っておりますが、再度高値を取らずとも半値戻しで50%くらい取れるのであればこんな美味しい投資はなく、時間はかかるが負けることのない投資ができると考えております。

この文章を書いている現在も大きく上がってしまってはおりますが、現在の株価水準も将来的に見た時にはバーゲンセールの真っ只中でしょうから、セールに乗ってぜひポートフォリオに入れておくべき銘柄だと思います。

◆今後の相場見通し

現在は短期底を打ち、強めに反発しておりますがあくまでも売られすぎた分の反発、空売りの買い戻しであることに注意が必要です。1月のFOMCを通過し、一旦は3月のFOMC手前まではまでは平穏を取り戻すような相場展開になっていくと思われますが、直近のボラティリティの高さは良いものではありません。

そして金融政策の点でも決して利上げの回数が減った訳でも、金融引き締めが緩くなった訳でもありません。引き続き、相場には向かい風になる金融政策が待ち構えていることに注意が必要です。

しかし、私は株式市場に漂うような過度な悲観的な相場にはならないと考えております。もちろん、前のめりに全力で投資できる環境ではありませんが、昨年からお伝えしているように2022年までは相場は何とか持ち堪えると考えております。その根拠は大きく2点です。

①過去をみても利上げ初期段階で株式相場が大きな調整を余儀なくされたことはないこと。下落のタイミングは利上げの議論時期と利上げの回数が重なるにつれ市場が耐えられなくなった時であること。

②米国のグロース株は皆様の想像以上に調整が進んでいる。

先週の記事でもお伝えしましたが、時価総額10兆円規模の企業ですら次々と高値から半値になっているのが現状です。指数だけを見ればまだ調整の余地はあるのでしょうが、これはGAFAM下落せずが持ち堪えているからなのです。指数しか見ていない人には見えていない裏側を知っておいてもらえたらと思います。

また、今回の米国決算をみると、S&P500の約7割が市場予想を上回る利益を出しております。期待先行で動く相場の方が強く、上昇も大きいですが、業績の裏付けがある現在のほうが思いの外下値は固いと思います。

もちろん、これはコロナはあくまでプラスの材料であって、コロナがなくとも業績の伴う企業に限定した話です。コロナが最大の恩恵であり、コロナ様様の銘柄はより厳しい将来が待ち受けているでしょうし、今からGAFAを全力で買う相場でもありません。しかし、利上げを理由に高PER企業が将来の成長性を度外視して、軒並み大幅調整している現在は、これからのテクノロジー企業を長期投資としてであれば、買付する絶好のチャンスであると考えております。そういった銘柄を引き続き皆様に共有していけるよう、取り組んで参ります。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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***

編集後記

ロシアによるウクライナ侵攻した場合の制裁手段として、ロシアの金融機関をSWIFTから排除しようという議論が行われています。ドイツはロシアからのSWIFT排除について懐疑的とする見解を示しました。

SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)とは

SWIFTは世界中の金融機関を繋ぐネットワークを構築するメッセージサービスプロバイダーです。SWIFTの特徴は参加資格のある限定されたユーザーに対し金融取引に特化したサービスを提供している点です。SWIFTは1973年に設立され現在世界200カ国、11,000の金融機関が利用するシステムでクロスボーダーの金融取引に必要不可欠なものです。日本での稼働は1981年からです。SWIFTの組織形態はメンバー(参加者)保有の協同組合でベルギーを本拠地としています。

SWIFTの普及前にはテレックスによって金融機関同士が送金や決済指示が行われていました。SWIFTの登場で国際金融業務がコンピュータ処理化され、時間とコストの削減に加えセキュリティ強化と金融取引の標準化が進んだのです。SWIFTのメッセージサービスで主要なのがFIN(Financial Messaging)つまり資金決済に関するものでSWIFTの50%がこのサービスになります。他は証券決済を指示する証券メッセージがおよそ40%、あとは貿易決済、外為・デリバティブ決済となります。今ではFINメッセージによって1日4,200万件の金融取引が世界中で行われているのです。

SWIFTのネットワークはインターネットプロトコルTCP/IP)ベースのSWIFTNetと呼ばれれ、アクセスすることで金融機関同士がメッセージの交換(送金指示・決済指示)が可能になります。共通のネットワークによる国際金融業務のコンピュータ処理に不可欠なのがメッセージの標準化でした。SWIFTで使用されるメッセージタイプ=MTは業務分野ごとに10のカテゴリーに分類され3桁の数字が割り当てられます。カテゴリーの次にグループ、その次にタイプがそれぞれ数字で表されます。例えば単一顧客の送金ならMT103というメッセージタイプになります。複数顧客への送金ならMT102、小切手の通知はMT110となります。証券決済はMT500番台、SBLCやBGはMT700番台というメッセージタイプです。カルロスゴーンが新生銀行に送らせたSBLCはMT760になります。

金融機関同士はSWIFTの定めるフォーマット(書式)に標準化されたメッセージタイプを入力することで送金や決済の指示ができるということです。

さて、ウクライナへ侵攻した場合、ロシアのSWIFT排除という金融制裁案にドイツが反対する理由はなんでしょう?ドイツは対ロシアのSWIFT利用が飛び抜けて多いからです。ロシアから輸入しているガスも決済不能となり供給停止になるでしょう。この問題はドイツだけではありません。欧州へ供給されるガスの40%はロシアからです。ロシアをSWIFTから排除すれば、ロシア産の原油・石油製品も供給が止まります。それだけではありません。ロシアで活動する他国の企業は決済が不可能になり貿易も混乱します。

そうした観点から考えると、ロシアのSWIFT排除は現実的ではありません。金融制裁を実行するなら、国家全体ではなくロシアの銀行や企業など個別に制裁を科す方が賢明でしょう。

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