最高値の更新を続けるニューヨーク市場に東京市場はついて行けるか?

米国10月の雇用統計は前月から53.1万人増加で失業率は4.6%まで改善しました。1兆ドルのインフラ投資法案も可決し、ニューヨーク市場では主要株価指数がそろって最高値を更新しています。
NEKO TIMES 2021.11.07
読者限定

みなさんこんにちは、猫組長です。

米国では好調な経済指標と大型経済対策への期待から、主要株価指数がそろって最高値を更新するなど強気な相場が続いています。11月3日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)でテーパリング開始が決定されたものの、市場は既に織り込み済みでした。そもそもテーパリングの開始=量的緩和の即時終了でないということを市場は十分に理解していたのです。

 Federal Reserve Board

 Federal Reserve Board

新型コロナウイルスのパンデミックにより世界経済は大混乱しました。そこで金融ショックを回避するためFRBは2020年3月から量的緩和を再開しました。FRBはまず金融緩和策として、それまで1.75%だった政策金利を0%に緊急利下げします。金利の下げ幅がなくなると次の手である資金の大量供給=量的緩和に着手しました。FRBは2020年3月から2ヶ月間で国債など2兆ドルの資産を吸収し、市場に資金を供給しました。

その後は毎月米国債800億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)400億ドルの計1200億ドルを購入してきたのです。FRBが毎月1200億ドルの資産購入をすると、市中に供給される資金も毎月1200億ドル増えるということです。その結果、上図のとおりFRBのバランスシートは9兆ドル近くに膨れ上がりました。これは2008年のリーマンショック前、9000億ドルから10倍という数字です。

テーパリングの開始は、この毎月1200億ドルの資産購入の額を毎月150億ドルづつ減らし、量的緩和を2022年半ばには完全終了する目的です。ただし、FRBはテーパリングが終了しても当面の間は資産残高は減らさないと発表しているので、市中には資金が供給されたままの状態が続きます。これで市場の注目は利上げという金融緩和策の転換へ移りました。

それでは先週のマーケットを振り返りつつ今週の相場を考えてみましょう。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3070文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
解説|トランプ関税外交の潮目:世界経済の綱引きと対応戦略
サポートメンバー限定
パランティア決算|10%超える下落は買いか
サポートメンバー限定
相場見通し|下落に強気になれるかが焦点となる相場
読者限定
解説|日本経済浮上の行方 - 通商政策と金融政策の舵取り
サポートメンバー限定
ここで買える人が勝つ!今こそ貪欲に
サポートメンバー限定
4月27日開催ZOOMミーティングアーカイブス
サポートメンバー限定
相場見通し|リバウンドはどこまで続くのか
読者限定
解説|コメ価格高騰の警鐘 ―揺らぐ日本の食料安全保障