解説|実感なき成長に終止符―"豊かさ"を問い直す転換点
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10月27日に実施された衆議院選挙の結果、与党は過半数割れとなり、日本の政局は大きな転換点を迎えています。自民党は無所属で当選した6人を加えた197人で会派を結成し、公明党と合わせて221議席となりましたが、過半数の233議席には12議席足りない状況です。
NHK
注目すべきは、世耕弘成氏や萩生田光一氏といった、政治とカネの問題で離党や公認見送りとなった議員たちを、自民党会派に受け入れた点です。(NHK)石破内閣が掲げてきた「ルールを守る自民党」というスローガンとは相反する判断であり、国民からは厳しい批判の声が上がっています。
一方で、野党第一党の立憲民主党は選挙前の98議席から148議席へと躍進を見せましたが、単独過半数には遠く及びません。また、「手取りを増やす」という明確な経済政策を掲げて支持を集めた国民民主党は、玉木代表が自公連立政権への不参加を明言。政策ごとの協力を検討する姿勢を示すにとどまっています。与野党ともに過半数を確保できない異例の政治状況となりました。(NHK)
海外メディアも日本の政治情勢を注視しています。ニューヨーク・タイムズは「日本の政治はここ数年で最も不透明な時期に突入した」と報じ、BBCは世界第4位の経済大国の先行きに不安感が漂うと指摘しています。(日テレ)
株式市場は、この政治的な不透明感に対して神経質な動きを見せています。選挙直後の28日こそ、一時的な下落から反転し、終値は前週末比691円61銭高の3万8605円53銭まで上昇しました。(毎日)しかし、その後は米国半導体株の下落なども影響し、不安定な値動きが続いています。今後は国内政局に加え、米国大統領選挙の動向にも注意が必要な状況です。
本日のニュースレターでは、実質賃金が伸び悩む日本において、与野党の政策論争の行方と、「手取りを増やす」を掲げて躍進した国民民主党の具体的な政策実現への道筋について、詳しく解説していきます。
<本日のトピック>
・「手取り増」が問い直す日本の豊かさ
・所得の壁か、思考の壁か―転換のとき
・「実質」で考える経済の好循環への道
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