GAFA 巨人をはばむ壁 【デジタル課税編】

2000年代の米国経済・世界経済は米国IT企業の巨人、GAFAとともにあったといえる。インターネット上のプラットフォームビジネスはUberやメルカリなどにも影響を与えていると言える。一方でデータの一極集中や買収による巨大化により身動が取りにくくなっていることもまた事実である。GAFAをテーマに3週に渡り連載する。(最終回)
猫組長 2021.11.05
誰でも

みなさんこんにちは、猫組長です。

ここ数日の東京は秋らしい晴天が続いています。新型コロナウイルスによる新規感染者も、9日連続で30人を下回るなど落ち着きを見せています。その一方、ドイツやロシアでは新規感染者が過去最多を記録しており、冬の到来で欧州は再び感染の大爆発が起きるでしょう。それにも拘らず、政府はビジネス目的の入国者を対象に制限の緩和をする方針のようです。海に囲まれた日本では、水際対策がいかに有効で重要かということは分かりきっています。コロナ禍の経験を糧とせず、再び同じことを繰り返そうとする無能な政府には呆れるしかありません。

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こんにちは、NEKO PARTNERS岩倉です。毎週金曜のニュースレターではビジネスや経済のトレンドについて解説していきます。今週から3週間に渡って米国IT企業の巨人、GAFAをテーマに連載していきます。第1回は「成長編」、第2回は「データ編」をお送りしました。最終回は「デジタル課税」を取り上げます。

<本日のトピック>

・デジタル課税とは何か?

・GAFAへの課税

・デジタル課税の基本合意

記事の最後には猫組長による編集後記があります。今回も最後までお読みください!

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デジタル税とは何か?

2000年代に入り私たちの生活はITのちからによって大きく変貌を遂げました。国際電気通信連合(ITU)によると2019年に世界でインターネットを利用する人口は約40億人とこの10年間で2倍に増加しています。これに伴い世界の電子商取引の規模も約1.5〜2倍程度に膨れ上がっている。今後もこの傾向は変わらずオンラインによる取引は拡大の一途をたどるだろう。

このように経済はオンライン化し、またグローバル化も進んだ。私たちはAmazonでショッピングを行うし、Netflixで動画を視聴する。音楽はSpotifyを契約しているひともいるだろう。日本の消費者もサービスの購入先は海外の会社であることが普通になってきたのである。

このような状況の中、グローバル企業に課税できる仕組みとして「デジタル課税」が検討されるようになった。

GAFAへの課税

日本経済新聞が世界計5万7千社を対象に税負担率を調査したところ、GAFAぼ税負担率は主要な製造企業の半分程度の水準に留まることがわかった。
GAFAをはじめとした大手IT企業は知的財産などを低税率国の関係会社で保有することが多く、また各国からライセンス利用料という形で利益を集約することで全体の税負担を軽くしている。現行の国際ルールでは国内に支店や工場などの物理的な拠点がない外国企業からは、原則として課税することはできなかったのである。

日本経済新聞電子版(2021/5/13)
日本経済新聞電子版(2021/5/13)

デジタル課税の基本合意

2021年10月8日、経済協力開発機構(OECD)は、BEPS(税源浸食利益移転)包摂的枠組みメンバーである140の国・地域のうち136カ国・地域が、多国籍企業が事業を行う場所において公平な税を負担することを確保することの合意に関連して「経済のデジタル化から生じる税務上の課題に対処するための声明」を公表しました。

今回の合意により、一定の利益率の多国籍企業に対する課税(年間1,250億ドル超の利益の再配分)と一定の収益を得ている多国籍企業に対する課税(年間約1,500億ドルの追加の税収)が行われる予定だ。

岸田首相は10月30日はG20サミットの開催地ローマで、自身が掲げる「新しい資本主義」にふれながらデジタル課税の導入に向けた動きを歓迎した。日本においては国際的な枠組みの検討にあわせて2023年度の税制改正で手続きを進めることを想定している。

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編集後記

2017年に神戸市北区で親族ら5人を殺傷したとして、殺人罪に問われていた男に無罪判決が言い渡されました。裁判の争点となっていたのは「刑事責任能力」です。1、心神喪失者の行為は罰しない。2、心神耗弱者の行為はその刑を減刑する、と規定した刑法第39条です。

被告人は起訴事実を認めており、検察、弁護側とも被告人が事件当時に統合失調症を発症していたという点に争いはありませんでした。「善悪の判断や行動を制御する能力は残る心神耗弱状態だった」と無期懲役を求刑する検察側に対し、弁護側は「統合失調症の影響で心神喪失状態だった」と無罪を主張していました。

5人を殺傷するという事件の重大性を考えると、国民感情としてこの無罪判決は納得し難いものだと思います。特に事件の被害者遺族にとっては到底受け入れられないものでしょう。しかし、犯行の態様やその後の供述、精神鑑定の結果などから考えると、被告人に刑事責任能力を求めるのは無理でしょう。刑法39条に規定されているとおり、心神喪失者の行為は罰しないとしたこの判決は妥当なものだと思います。感情に流されず冷静な司法判断がされた結果です。

先月31日に京王線車内で男性を刺した後に放火した京王のジョーカーもそうですが、社会には一定数のとんでもない人が存在します。これらとんでもない人が、いつとんでもないことをやらかすかは予測不可能です。

私たちの社会は、普段意識しないですが実は「信頼」によって成立しています。道で人とすれ違う時に、突然襲ってくるとか考えることもありません。電車内で刃物を振り回したり、油を撒いて火をつける人がいるなど想像もしません。誰もがルール=法を守るものと信頼しているからです。

その信頼が壊れた時、通り魔事件のような予測も予防も不可能な出来事が起こります。それでも日本は安全な国に違いありません。「人を見たら泥棒と思え」という諺がありますが、海外ではまさにこの諺がピッタリの国が多いですね。とんでもない人が起こすとんでもない事件は防ぎようがありません。確率的の問題です。

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猫組長TIMES 次号は11月7日です。

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