解説|歪む株高相場と修正迫られる利下げシナリオ
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相反する経済指標の中で独自の動きを見せる米国市場。11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、2カ月連続で加速。輸送費や住居費の上昇が続く中、インフレの「粘り強さ」が改めて浮き彫りとなっています。
しかし、インフレ加速にもかかわらず、投資家の間では2024年の利下げ期待が依然として根強く、株式市場は力強い上昇を続けています。S&P500種株価指数は過去1年間で約30%上昇。その中でも特に目立つのが、電気自動車(EV)大手テスラの株価動向です。同社の株価は12月11日に約3年ぶりの最高値を更新し、年初来で70%以上の上昇を記録しました。(ロイター)
ただし、この強気相場の内実には注目すべき特徴があります。S&P500では9営業日連続で値下がり銘柄が値上がり銘柄を上回っており、これは2004年の統計開始以来、最長記録となっています。つまり、株価上昇の恩恵を受けている銘柄は限定的なのです。このように、インフレの持続性を示す経済指標と、利下げを織り込む市場の動き、そして一部の銘柄に偏る株高が同居する現在の状況は、投資家に重要な問いを投げかけています。
本日のニュースレターでは、労働市場の変調から米国経済の現状を探り、その中での株式市場の歪みを分析します。そして、インフレの根強さを受けて修正が進む利下げシナリオについて考察していきます。
<本日のトピック>
・混迷の労働市場が映し出す米国経済の実像
・変調する株高相場 - 強まる米国株の二極化
・利下げシナリオの変容 ― 後退する緩和期待
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- 混迷の労働市場が映し出す米国経済の実像
- 変調する株高相場 - 強まる米国株の二極化
- 利下げシナリオの変容 ― 後退する緩和期待
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