相場見通し-週末の下落は売りか押し目か
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ニューヨーク市場
東京市場
日経平均株価見通し
ダウ平均株価見通し
日米先物市場推移
ドル円見通し
IMFルールでは介入あと1回?
TSMC6月売上高
6月CPI
【重要】初回利下げ前後の株価推移
米利下げ後、半年間の日経平均株価
今週のイベント
編集後記
を考察した内容となっております。ぜひNEKOTIMESをご登録の上、お読みください。
ニューヨーク市場
8日:9日〜パウエルFRB議長の議会証言、11日に6月CPI(消費者物価指数)の発表を控え、ポジション調整の売りが見られました。ダウ平均株価は一時280ドル近く上昇する場面もありましたが、買い一巡後は伸び悩み、今度は100ドル近く下落するなど不安定な動き。一方、NASDAQとSOP500は揃って史上最高値を更新。ダウ平均株価終値は▼31.08の39,344.79ドル
9日:ダウ平均株価は寄付き後、200ドル近く下落しましたが、パウエル議長の議会証言で9月利下げ観測が意識されると買い優勢となり、今度は140ドルを超えて上昇する場面もありました。買い一巡後は伸び悩み徐々に上げ幅を縮めました。一方、NASDAQとSP500は6日続伸で史上最高値更新しました。ダウ平均株価終値は▼52.82の39,291.97ドル
10日:パウエル議長の議会証言がタカ派的ではなかったこと、明日発表の6月CPI(消費者物価指数)が下振れするとの見方が相場を後押ししました。TSMC(台湾積体電路製造)の発表した6月売上高が大幅増だったことで半導体銘柄が買われ、ダウ平均株価は徐々に上げ幅を広げました。終値は△429.39の39,721.36ドル
11日:6月CPI(消費者物価指数)が予想以下となりFRB (連邦準備理事会)による9月利下げ観測が高まりました。これを受けて10年債利回りが低下、景気敏感株の一角が買われ、ハイテク株は売られる展開となりました。ダウ平均株価は一時150ドルを超える場面もありましたが、徐々に上げ幅を縮めました。ダウ平均株価終値は△32.39の39,753.75ドル
12日:6月PPI(米生産者物価指数)は予想を上回ったものの、利下げ時期に影響を与えるほどではありませんでした。昨日下落したエヌビディア:NVDAなどハイテク銘柄が買われ、相場を牽引しました。ダウ平均株価は40,250ドル近くまで上昇する場面も見られましたが、高値への警戒感もあり、徐々に上げ幅を縮めました。ダウ平均株価終値は△247.15の40,000.9ドル、SP500は△30.81の5,615.35ポイント、NASDAQは△115.04の18,398.45ポイント
東京市場
8日:2週間で2,000円ほど上昇している日経平均株価は、短期的な過熱感を警戒した売りに押される展開でした。日経平均株価は一時199円高の41,112円まで上昇、史上最高値を更新する場面も見られました。その後は利益確定売りから徐々に上げ幅を縮め、やがてマイナスに転じました。日経平均株価終値は▼131.67の40,780.70円
9日:NASDAQとSP500が史上最高値を更新したことで【8035】東京エレクトロン【6857】アドバンテストなど半導体銘柄を中心に幅広い銘柄が買われました。外国為替市場で円安・ドル高傾向となったことも追い風となり、日経平均株価の上げ幅は一時980円を超え、3日ぶりの大幅反発、終値は△799.47の41,580.17円
10日:ニューヨーク市場でハイテク株を中心としてNASDAQとSP500が連日史上最高値を更新、東京市場も買い優勢の展開でした。日経平均株価は、高値への警戒感から利益確定売りに押される場面も見られましたが、下げ渋ると持ち直し、一時300円を超えて上昇するなど強気な相場展開でした。日経平均株価終値は△251.82の41,831.99円
11日:米主要株価指数が上昇したことを受け、511円高で寄付いた日経平均株価は、間も無く600円近く上昇するなど買い優勢の展開。アップル:AAPL関連銘柄として【6981】村田製作所が上場来高値を更新、主力株の一角も買われ相場を牽引しました。日経平均株価は3日連続で史上最高値を更新、終値は△392.03の42,224.02
12日:連日の史上最高値更新で42,000円を超えた日経平均株価は、高値への警戒感もあって利益確定売りの出やすい環境でした。前日のニューヨーク市場でハイテク株が売られ、東京市場でも半導体関連銘柄を中心に幅広い銘柄に売りが膨らみました。日経平均株価の下げ幅は、2021年2月26日以来の大きさでした。日経平均株価終値は▼1,033.34の41,190.68円
日経平均株価見通し
今週の日経平均株価は週明けから続伸し、11日には42000円(場中最高値42426円)を突破したものの、12日には米国発の下落の影響を受ける形で前日比1033円(-2.45%)と大幅下落で取引を終えました。業種別では週前半に医薬、精密などが上昇、週後半は紙・パルプ、食料品など内需業種が上昇しました。一方、海運、銀行、石油、 保険などが下落ております。これらは為替介入の影響から大幅に円高へ進んだことから円安銘柄売り・円高銘柄買いへシフトしたからでしょう。12日の米国市場は前日の大幅下落から大幅反発していることから、日本市場も上昇してはじまる展開になることが想定されますが、42426円は当面の大きな壁となる公算が高まりました。移動平均線との乖離率も大きかったことから、短期的には41000-40800円を支えにボックス圏での推移となるのではないでしょうか。NEKOTIMESでは「38000-39000円のボックス相場で仕込み、上放れて下落に転じたら売り」とお伝えしましたが、先週に売却したポジションについては早仕掛け厳禁で日柄及び値幅の調整を経て、方向感がついてから入ることをお勧めします。為替動向も方向感が不透明であるため、安易に円安・円高銘柄にベットすることも避けた方が良いでしょう。他方、前週末比の騰落率はTOPIX+0.5%、日経 平均株価+1.1%、グロース250+3.1%と中小型市場に資金がシフトしました。これは米国市場で大型ハイテク・グロースが売られ、中小型グロースが買われたことに起因しますが、先述のように大型株は調整入りする公算が高いことから、短期的に中小型へ資金シフトする展開が予想されます。しかし、あくまで一過性の動きであることから過度な期待は禁物ですが、スイングトレード先としては良い選択肢となるのではないでしょうか。
ダウ平均株価見通し
米国市場は、引き続き好調な相場環境に加えて、TSMCの6月売上高が高水準であったことや、上院に続き下院でも行われたパウエルFRB議長の議会証言が利下げ期待を維持する内容だったことも追い風に11日(木)までのS&P500の週間騰落率は +0.3%、10日まで連日最高値を更新し、 同日初めて5,600を突破するなど非常に良い相場環境が続いてきました。続く11日には6月CPIが発表され、こちらも予想比下振れし、インフレ鈍化を示唆しましたが、前日まで上昇していたハイテク株・半導体銘柄を中心に利益確定売りに押される形で大きな下落となりました。木曜日の段階で調整入りもしくは短期的な下落トレンド入りとなる公算が高まったものの、翌日には下落した銘柄を中心に安寄りから大幅に切り返して大陽線をつけるなど、現段階では押し目・調整・下落転換のどれか判断がつかない状況となっております。短期的な視点で見れば、上昇のピッチが急であったことからもいずれ調整は余儀なくされると考えますが、将来的な利下げを織り込んで上昇していることからも、利下げ開始までは好調な相場環境が続くものと見ております。(決算でトレンド転換する可能性は過去3回よりも高まっているため、その点には要注意)追加で買う局面ではないと思いますが、保有銘柄は正式に下落転換、もしくは調整入りするまでホールドが正攻法ではないでしょうか。
ドル円見通し
今週のドル円市場は非常に大きなボラティリティを有した1週間となりました。11日夜に3兆円程度、翌12日にも為替介入が行われたとみられ、一時161円50銭を超えたドル円は157円50銭まで下落しました。11日はたった15分で4円円高に触れており、いかに急激な変動であったかを窺い知ることができます。11日には米国でCPIが発表され、ディスインフレを示すものであったことから利下げ期待が高まり、金利低下=ドル安・円高で反応しました。初動の円高要因はここにあります。真相は定かではありませんが、CPIにてディスインフレの内容が示されたことで日銀が為替介入に踏み切った可能性が高いのではないかと考えます。過去、何度も解説しているように為替は金利差で変動しますので、米国で利下げ期待が高まれば、予測し得ない為替介入を考えずとも必然的に金利安→ドル安となっていくことでしょう。メディアやSNSでは為替介入ばかりがフューチャーされますが、日々公表される日米経済統計から金利が変動し、その金利のよって為替が推移することから、株式と異なり先々の方向性を読み解くのは困難です。ただ、現在地点としてはインフレ鈍化トレンドに転換し始めてきていること、年末にトランプ氏が大統領に就任すればアメリカファースト政策からドル高への牽制が入り、円高進行圧力がかかることは明白です。大統領選挙が到来するまでは金利差通りに推移していくのではないでしょうか。
IMFルールでは介入あと1回?
国際通貨基金(IMF)のルールによれば、半年間で3回(1回は3営業日以内が基本)の為替介入が容認されております。今回の為替介入により、4月下旬の介入観測を含め11月までに「あと1回しかできない」との見方が広がりを見せ、再び円安・ドル高方向に振れる可能性が高まるでしょう。しかし、「1回は3営業日以内が基本」を裏返せば、3営業日以内の為替介入は1度に見なされると言い換えることもできます。つまり、日銀が足元の円安を実勢ではなく、投機的な動きだと判断すれば週明けにもう一度為替介入を行う可能性も内在しているでしょう。為替介入の時期を明確に予測するのは不可能ですが、可能性として考慮しておくと良いでしょう。
日米先物市場推移
先週末金曜日に米国市場が大幅高であったことから、明日の米国市場が波乱でない限り、日本市場も上昇してスタートすることでしょう。7月14日現在、S&P500・ナスダックは 対株価指数で上昇しております。金曜日の勢いをそのまま引き継ぎ、陽線で上昇すれば木曜日の大幅下落を早々に払拭できるかもしれません。他方、寄り付き天井で下落に転じると、調整入りの可能性が非常に高まります。明日は海の日で休みの日本市場ですが、週明けの日本株にとって正念場となるでしょう。
TSMC6月売上高
今週の好材料はTSMC6月売上高でした。木曜日の下落にかき消されてしまった感は否めないものの、10日発表した6月の売上高(速報値)は、生成AI(人工知能)向けなどに先端半導体の販売が好調であることを背景に、前年同月比32.9%増の2078億台湾ドル(約1兆円)と同月としての過去最高を更新しております。ファウンダリーの雄である同社の売上が好調であることは半導体セクターにとってグッドニュースです。加えて、7月18日に4~6月期決算の発表を予定おります。7-9月期売上高見通しや設備投資計画に加え、前四半期に下方修正され、株式市場に動揺を与えた半導体市場全体の成長見通しがどのような内容になるかで市場全体の方向感を左右することになるでしょう。17のASML、18日のTSMCといった欧州・台湾の決算を皮切りに、月後半には米国半導体企業の決算を迎えることとなります。年末相場までの天王山と言っても過言ではないほど、最重要のイベントとなりますので、株式市場参加者は必ず各企業の決算をチェックするようにしましょう。
6月CPI
6月の食品とエネルギーを除くコアCPIは 前月比+0.06%と、前月の反動を見込む市場予想とは対照的に、5月の同+0.16%に続いてインフレ目標相当ペースを下回る好結果となりました。内訳では、住居費が同+0.3%、住居費を除くサービス価格が同▲0.05%と揃って鈍化しており、財価格からサービス価格へディスインフレの広がりが窺えます。インフレ再燃懸念により、利下げ回数も最もタカ派的に織り込んだ年前半から、利下げを前提に進む年後半とシフトしていく公算が高まっております。
【重要】初回利下げ前後の株価推移
引用:三井住友DSアセットマネジメント
こちらの図では利下げ前後を記しておりますが、利下げ後という観点では、株価は6回のうち4回上昇しております。大きく下落した⑤2007年9月は、サブプライムローンに起因する世界的な金融危機(リーマンショック)が主要因です。アノマリーはアノマリーでしかないものの、利下げ開始以降、深刻な経済危機もしくは景気後退が訪れなければ、堅調に推移するということを歴史が教えてくれています。今回については、インフレによる先取り需要要素はあるものの、足元の企業業績は好調で、不安要素も見られないことから突如訪れるショックがなければ6回のうち4回の上昇側に位置している可能性が高いと考えております。
米利下げ後、半年間の日経平均株価
米国の値動きに大きく左右される日本市場ですので、日本市場の展望を考察する上で、米国市場動向は必須となります。④2001年1月と⑤2007年9月は米国市場が大きな下落をしており、他方、①1989年6月、②1995年7月、③1998年9月、⑥2019年7月は大きく上昇していることからも米国と同様の値動きをすることが見受けられます。米国次第ということにはなりますが、米国市場のみ上昇するのではなく、日本市場も連れ高するということは日本株ホルダーにとってポジティブな要素ではないでしょうか。
今週のイベント
【米国】15日パウエル議長を筆頭に高官のよる講演が多数予定、16日 6月小売売上高
◉17日(水)ASML、 18日(木)TSMCといった欧州・台湾の半導体関連株の決算
→今週のメインイベントと言っても過言ではないのが欧州・台湾の半導体関連株の決算です。本命は今月後半から始まる米国半導体企業の決算発表、そして来月のエヌビディア決算が大本命ですが、上記2社は前哨戦となるでしょう。押し目か下落トレンド転落か、瀬戸際の半導体セクターの先行きを占う大一番です。
【日本】19日 6月全国CPI
◉国内は材料に乏しいため、外的要因で推移する1週間
→上述したように、日本市場は42000円を高値に短期的な調整に入る公算が高まっておりますが、今週は国内に目立った材料がないため、FRB高官発言やECB理事会等で今後の金融政策への示唆があるか、台湾TSMC、蘭ASMLなど半導体関連大手の決算発表がどうなるかがメインテーマとなります。日本市場はグロースを物色し、大型株については売買をするというよりは、じっくりと時間をかけて銘柄を分析・選択する1週間となるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
編集後記
みなさんこんばんは、猫組長です。
今日の都内は時おり雨の降る鬱陶しい1日でした。
米東部ペンシルベニア州バトラーで13日(日本時間14日早朝)、トランプ前大統領の暗殺未遂事件が発生しました。演説中に銃声が鳴り響き、身を伏せるトランプ大統領の映像は衝撃的でした。トランプ元大統領は幸い軽傷で済み一安心です。世界を混乱に陥れた民主党政権を終わらせてくれるトランプ元大統領が亡くなったら一大事でした。
銃撃の直後の拳を高く掲げるこの写真は、まるで映画のワンシーンみたいです。狙ってこの構図にしてもこう上手くは撮れないでしょう。背後の星条旗に力強く拳を挙げるトランプ元大統領は、まさにアメリカのリーダーを象徴しています。アメリカ人はこういったヒロイズムが好きですから、この銃撃事件でトランプ元大統領再選は確実なったと思います。
TBS『サンデーモーニング』では、事件を取り上げた際にアナウンサーの膳場貴子が(選挙の)「プラスのアピールになりかねない、という感じもしますね」と発言し大炎上しています。この発言には、いわゆるリベラルの思考をよく表していると思います。おそらく心の中ではトランプ元大統領の暗殺が未遂で終わったことを残念に思っていたでしょう。報道には、暗殺未遂事件が選挙戦に有利か不利かなど関係ありません。まずは事実の報道をしてから、トランプ元大統領の無事を安堵し、死傷者への哀悼を述べるのが当たり前なのです。
このような人たちに公正な報道などを求めても仕方ないのかも知れませんね。
NEKO TIMES次号は7月17日です。
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