解説|蚊帳の外のウクライナ―米中露が描く「戦後」の思惑―
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ロシアのウクライナ侵攻から3年。戦争は出口の見えない状況が続いています。米国をはじめ、各国で指導者の交代が相次ぎ、国際社会は大きな変化の年を迎えています。とりわけ、トランプ大統領の就任は、ウクライナを取り巻く環境に新たな不安をもたらしています。
戦場では、ウクライナ軍が960キロに及ぶ前線の各所でロシア軍の攻撃を抑えることに苦心しています。東部ドンバス地方ではロシア軍が着実に領土を広げており、ウクライナ側の人員不足は深刻さを増すばかりです。8月にはウクライナ軍がロシア南西部クルスク州への越境攻撃を試みましたが、東部での攻勢を止めることはできませんでした。(CNN)さらにロシアは、首都キーウを含む都市部に執拗な無人機攻撃を仕掛け、市民の士気を削ぐ作戦を展開。最近では、チョルノービリ原発の放射性物質封じ込め施設までもが被害を受けています。(CNN)
ところで、2月14日から16日まで、ドイツ南部ミュンヘンで開かれる安全保障会議は、欧州にとって重要な分岐点となります。バンス米副大統領やゼレンスキー・ウクライナ大統領も参加するなか、欧州各国は独自の安全保障戦略の構築を迫られています。(時事通信)これまでバイデン前政権下で続いてきた数百億ドル規模のウクライナ支援は、トランプ政権で大きく見直される公算が高まっているためです。(ジェトロ)トランプ大統領の対ウクライナ支援への消極的な姿勢を受け、欧州連合(EU)は新たな支援の枠組みづくりを模索しています。(ブルームバーグ)
米国の政策転換が予想されるなか、欧州各国の動きが世界経済に与える影響は小さくありません。ロシアとの関係修復を探る動きも出始めており、米中露と欧州の新たな力学が、どのように国際秩序を形作っていくのか。その行方が、企業の事業戦略にも大きな影響を及ぼすことになりそうです。
<本日のトピック>
・水面下で動き出す戦争終結への駆け引き
・揺れ動く欧州の安全保障戦略
・資源を軸に動き出す米露の思惑
ー 編集後記 ー