解説|日米の相反する金利の行方ー統計が示す真実とは
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今週の金融経済界は、テクノロジーセクターの激動と雇用市場の変化、そして各国の金融政策の方向性を占う各種統計に注目が集まっています。
米国半導体業界では、大きな変化の兆しが見られます。長年ダウ工業株30種平均の構成銘柄として知られる半導体大手インテルが、業績不振による株価低迷で指数から外れる可能性が報じられました。これは、テクノロジー業界の勢力図の変化を示唆する出来事として注目されています。
一方、AI関連銘柄として急成長を遂げていたエヌビディアにも異変が起きています。同社の売上高見通しが市場の期待に届かなかったことで株価が急落し、わずか3営業日で時価総額が2789億ドル(約41兆円)も減少するという衝撃的な事態となりました。これは米国の1銘柄としては過去最大の下落幅であり、AI関連銘柄への過熱した投資姿勢に警鐘を鳴らす結果となりました。(ブルームバーグ)
さらに、エヌビディアを含む半導体関連企業に対し、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで文書提出命令状を送付したことも報じられており、業界全体に緊張が走っています。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)を構成する30銘柄全てが5.4%以上下落するなど、半導体セクター全体に影響が及んでいます。(ブルームバーグ)
雇用市場では、8月の米ADP民間雇用統計が発表され、9.9万人増と3年半ぶりの低い伸びとなりました。これはエコノミストの予想(14.5万人増)を大きく下回る結果で、労働市場の冷え込みを示唆しています。この結果を受け、9月17〜18日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向に注目が集まっています。
日本国内に目を向けると、経済指標に明るい兆しが見えています。7月の実質賃金が2カ月連続で増加し、基本給は1992年11月以来、32年ぶりの高い伸びを記録しました。これは今年の春闘での賃上げ効果が反映されたものと見られ、デフレ脱却を目指す日本経済にとって好材料となっています。
この動きを受け、日銀の高田創審議委員は、前向きな企業行動が続けば金融緩和度合いのさらなる調整を進め、「金利のある世界」に移行する可能性があると述べています。(ロイター)この発言は、日本の金融政策が新たな局面に入る可能性を示唆しており、今後の展開が注目されます。
本日のニュースレターでは、これらの最新の経済動向を踏まえ、日本と米国を中心としたグローバル経済の現状と今後の展望について、より深く掘り下げていきます。
<本日のトピック>
・実質賃金上昇の実像:一時的好転か回復の兆しか
・サームルールが示す米国経済の岐路
・金利変動下の国債市場:日米の新戦略
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- サームルールが示す米国経済の岐路
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