解説|現状維持で円安進行 日本経済の新たな試練

想定を超える円安の進行で、企業は対応を迫られている。賃上げ期待と金融政策の限界が交錯する中、日本経済は新たな局面へ。
猫組長 2024.12.20
読者限定

NEKO TIMESは、短期目線に振り回される投資家を救済することを目的に、マクロかつ中長期の視点からビジネス・経済や為替・株式市場の話題を取り上げます。投資家に限らずビジネスパーソンの方も数多くご登録いただき、およそ22,000人の方が購読するニュースレターメディアとして、成長を続けています。

サポートメンバー(有料会員)向け配信では、個別銘柄の値動きの解説も行い「売買の意思決定に直接関わる情報」を読者限定で配信しています。日曜日に配信する【猫組長|今週の相場見通し】では為替動向にも触れます。水曜日に配信する中沢氏が分析する日米株式情報も見逃せません。一部配信を有料読者に限定し、個別銘柄を解説しています。そして、有料版読者の皆様には特典として猫組長と直接交流できるオンラインライブイベントへご招待しています。

***

こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

米国と日本の中央銀行が、この12月に下した決断は、まるで正反対でした。米国の中央銀行(FRB)は17-18日に開いた会議で「金利を下げる」と決めました。(BBC)9月から3回連続の金利引き下げです。一方、日本銀行は19日の会議で「現状維持」を選択。「もう少し様子を見たい」という慎重な姿勢を示しました。

この対照的な判断の結果、為替市場では円安が一気に進み、1ドル157円台という、今年7月以来の円安水準を記録しました。植田日銀総裁は、この判断の理由として「来年の春の賃上げ(春闘)の動向をもう少し見極めたい」「米国の次期政権の経済政策がまだ不透明」と説明しています。

実は米国のFRBも、これまでのような積極的な金利の引き下げは控えめにしていく方針です。パウエルFRB議長は「新しい段階に入った」と表現し、今後は慎重に判断していく考えを示しました。しかし、それでもなお日米の金利差は大きく、この違いは市場に大きな影響を与え続けています。(ジェトロ

日本企業にとって、この状況は両刃の剣です。輸出企業は円安で収益が増える一方、原材料を海外から買う企業はコスト増に苦しんでいます。また、日米の金利差が大きいことで、お金が日本から米国に流れやすい環境が続いています。

では、日本銀行はこの先どのような決断を下すのでしょうか。また、その判断は私たちの経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。本日のニュースレターでは、日本銀行の置かれている状況と、今後の展望について詳しく見ていきます。

<本日のトピック>
・実質賃金改善への試金石
・157円の衝撃
・検証された『異次元緩和』

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4515文字あります。
  • 実質賃金改善への試金石
  • 157円の衝撃
  • 検証された『異次元緩和』

すでに登録された方はこちら

読者限定
解説|20年の成功神話が崩れる日 - AI革新が変える企業ソフトウェア...
サポートメンバー限定
金価格の急落で吹き飛んだ4兆ドル|金の今後は如何に
サポートメンバー限定
相場見通し|選挙は終盤戦、結果を待つ日本市場
読者限定
解説|同盟再編の時代-分断する欧米、接近する中欧
サポートメンバー限定
衆院選公示|選挙結果による日本市場の目安とは
サポートメンバー限定
相場見通し|国内では選挙、米国では決算が大きな変動要因に
読者限定
解説|覚悟と警告、高市解散が問う日本の針路
サポートメンバー限定
国内金利が急騰で日本市場は5日連続下落|今後の株価の行方