解説|現状維持で円安進行 日本経済の新たな試練
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米国と日本の中央銀行が、この12月に下した決断は、まるで正反対でした。米国の中央銀行(FRB)は17-18日に開いた会議で「金利を下げる」と決めました。(BBC)9月から3回連続の金利引き下げです。一方、日本銀行は19日の会議で「現状維持」を選択。「もう少し様子を見たい」という慎重な姿勢を示しました。
この対照的な判断の結果、為替市場では円安が一気に進み、1ドル157円台という、今年7月以来の円安水準を記録しました。植田日銀総裁は、この判断の理由として「来年の春の賃上げ(春闘)の動向をもう少し見極めたい」「米国の次期政権の経済政策がまだ不透明」と説明しています。
実は米国のFRBも、これまでのような積極的な金利の引き下げは控えめにしていく方針です。パウエルFRB議長は「新しい段階に入った」と表現し、今後は慎重に判断していく考えを示しました。しかし、それでもなお日米の金利差は大きく、この違いは市場に大きな影響を与え続けています。(ジェトロ)
日本企業にとって、この状況は両刃の剣です。輸出企業は円安で収益が増える一方、原材料を海外から買う企業はコスト増に苦しんでいます。また、日米の金利差が大きいことで、お金が日本から米国に流れやすい環境が続いています。
では、日本銀行はこの先どのような決断を下すのでしょうか。また、その判断は私たちの経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。本日のニュースレターでは、日本銀行の置かれている状況と、今後の展望について詳しく見ていきます。
<本日のトピック>
・実質賃金改善への試金石
・157円の衝撃
・検証された『異次元緩和』