解説|米国債利回り上昇と株価の関係とは

米国では第一四半期の決算発表が本格化しています。地政学的リスクも高まるなかで企業は市場の期待に応えられるのでしょうか。長引くインフレ、高止まりする金利を受けて、足もとでは国債利回りが上昇しています。
NEKO TIMES 2024.04.27
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米国の連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに対して慎重になり、またイランとイスラエルの緊張感が高まる中、米国市場では19日週にS&P500がおよそ1年ぶりに大幅に下落しました。また、主要な半導体銘柄でもあるエヌビディアやスーパー・マイクロも株価は2ケタのマイナスとなりました。このような状況のもと、1-3月期の決算発表が本格化しています。リスクが高まるなかで、さらなる下落を呼ぶのか、株式市場の行方に注目が集まります。

米国決算発表の口火を切ったのは電気自動車(EV)の主要企業であるテスラでした。販売台数は伸び悩み、予想を下回る状況です。イーロン・マスクは今後低価格モデルを市場投入することで巻き返しをはかると発表しました。株価は時間外取引でおよそ13%上昇しています。(参考:SBI証券

一方で生成AIの活用が期待されるメタ・プラットフォームズは今期売上高は市場の予想通りでしたが、肝入りのVR関連の売上高は市場予想を大きく下回りました。また、設備投資などが含まれるCAPEXも予想を大きく下回ります。収益化の見通しがまだ先であることや投資先行のなかでCAPEXが低いことから、その後の取引で株価は大きく売られました。(参考:SBI証券

ところで、この株価変動によりメタ社CEOのザッカーバーグ氏の保有する株価は1日でおよそ3.4兆円も減少しました。これによりマスク氏が富豪ランキングの上位に出たようです。

さて、本日のニュースレターでは先行きが不安視される米国株式市場について考えてみましょう。

<本日のトピック>
・インフレ加速、経済成長は鈍化
・米国債の利回り上昇が新たな試練
・ハイテク株はどうなるか

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続きは、3454文字あります。
  • インフレ加速、経済成長は鈍化
  • 米国債の利回り上昇は新たな試練に
  • ハイテク株はどうなるか

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