解説|紅海での相次ぐ船舶攻撃・インフレリスクあるか?

1ヶ月前、日本郵船の運搬船が紅海南部・イエメン沖で武装組織の手で拿捕されました。紅海の危険性が高まる中、各国商船は紅海ルートの回避を始めています。サプライチェーンの混乱は世界経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。
NEKO TIMES 2023.12.22
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およそ1ヶ月前、日本郵船の運搬船が航海南部・イエメン沖で拿捕されました。(時事)イスラエル首相によると親イランのイエメン武装組織フーシ派が「イランの指導を受けて(船を)乗っ取った」といいます。来日中のイラン高官は船の引き渡しや船員の解放に向け反政府勢力に対し働きかけていることをNHKのインタビューで発表しています。

紅海における商船攻撃のリスクが高まる中、海運業界では海上輸送ルートから紅海をはずし、アフリカ周回航路を選択し始めています。1回の航路に100万ドル(約1億4400億円)のコストと10日程度の日数が余分にかかるといいます。

パンデミックやウクライナ戦争によるサプライチェーンの混乱は世界にインフレをもたらしました。紅海航路からアフリカ周回航路への切り替えがすすむ中で、供給の遅れや不足を招くならば、各国中央銀行が奔走するインフレ対策にも影響を与えることになります。

本日のニュースレターでは海運業界における重要航路のひとつ「紅海」をとりあげます。あわせてアラブ・中東地域と関係深い「石油」についても考えていきます。

<本日のトピック>
・世界の重要航路、紅海ルート
・インフレを心配するべきか
・中東に依存する日本のエネルギー事情

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  • 世界の重要航路、紅海ルート
  • インフレを心配するべきか
  • 中東に依存する日本のエネルギー事情

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