解説|貿易戦争激化と米債務残高の膨張
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トランプ政権の関税政策が目まぐるしく変化しています。4月初旬、米国政府は主要貿易相手国に対する新たな関税措置を発表しましたが、その内容はわずか数時間で部分的に修正されました。協議を希望する国々には一定の猶予期間が設けられる一方、中国に対しては従来を大幅に上回る高率関税の方針が示されています。これに対し中国側も即座に報復措置を講じ、米中間の貿易摩擦が急速に激化しています。(ブルームバーグ)
この政策の混迷は金融市場に大きな動揺をもたらしています。株式市場では米国主要指数が軒並み大幅下落し、ダウ工業株30種は1000ドル超の下げを記録。S&P500種は3%超、ナスダック総合は4%超の下落となり、前日の上昇分のほとんどを失いました。市場関係者からは「投資家は結末が見えないため神経質になっている」との声も聞かれます。(ロイター)

債券市場でも顕著な変化が起きています。高関税への警戒感から下落傾向にあった米長期金利が、今週に入って急上昇に転じたのです。10年物米国債利回りは今年1月下旬の高水準から先週末にかけて大幅に低下していましたが、今週初めの2日間だけで0.3ポイント上昇し、4.3%台に戻しています。(時事)
トランプ政権が当初の関税政策を部分的に調整した背景には、このような金融市場の混乱を抑制したいという意図があるとの分析も出ています。関税政策をめぐる不確実性の高まりが、株式・債券の両市場に波乱を引き起こし、世界経済への悪影響も懸念されています。
本ニュースレターでは、こうした貿易摩擦の激化と金融市場の変動がもたらす複合的な経済影響について解説します。景気後退懸念と債券金利上昇という、一見矛盾する市場動向の根底にある要因を探り、今後の展望についても考察を深めていきます。
<本日のトピック>
・急ブレーキの関税政策、発動から数時間で停止
・米金利急上昇、安全資産揺らぐ
・トランプ減税と膨張する米国債務の危険な綱引き
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- 急ブレーキの関税政策、発動から数時間で停止
- 米金利急上昇、安全資産揺らぐ
- トランプ減税と膨張する米国債務の危険な綱引き
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