解説|漂流するフランス政治:極右の失速と改革の停滞

フランスではパリ五輪を目前に解散選挙が行われました。決選投票では事前の予想をくつがえす形で、左派連合が極右政党を抑えて最大勢力になる結果となりました。しかしながら、議会の分断は避けることはできずマクロン大統領は残りの任期の政権運営がより難しくなります。
NEKO TIMES 2024.07.12
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こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

パリ五輪大会組織委員会によるとチケットの販売数は860万枚を超え、五輪史上最多の記録を更新する見込みです。開幕が今月末に迫るなか、注目度がますますあがっています。(時事通信)開幕式はセーヌ川で行われ、はじめて水上で行われます。また、メダルベアラー(メダルを運ぶ人)のユニフォームなどの発表も行われ、デザインを手がけたカオリ・モリッツ・イシカワさんにも注目が集まりました。(WWD)さまざまなところに数々のメゾンを抱えるフランスの力を垣間見ます。

さて、フランスではパリ五輪を前に、政治の面で混乱が続きます。欧州議会選で極右政党が躍進したことを受けて、マクロン大統領は急きょ議会の解散を発表していました。(BBC)このほどフランス国民議会選挙の決選投票が行われ、事前の予測をくつがえす形で、極右政党を抑えて左派連合が最大勢力となりました。

今回の選挙により国民が極右政党が政治の舵取りを行うことにNOをつきつけたという成果を得られましたが、議会は多数派を欠く形となり、分断しています。今後マクロン大統領は対話とリーダーシップにより多数派の形成、安定した議会・内閣の運営に向けて対応をしていかなければなりません。

本日のニュースレターではフランスの政局について取り上げながら、同国の今後、そして欧州全体への影響について考えていきます。先週はイギリスの政局と欧州への影響を取り上げています。ぜひ合わせてご覧ください。

<本日のトピック>
・マクロン大統領、改革のあゆみ
・仏政治混乱は必至、多数派形成できるか
・財務規律と経済成長

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続きは、3517文字あります。
  • マクロン大統領改革のあゆみ
  • 仏政治混乱は必至、多数派形成できるか
  • フランスの金融危機と財務危機

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