解説|独財政アクセル全開 ー 欧州経済の転機

ドイツが厳格な財政規律「債務ブレーキ」を緩和し、大規模支出政策へと転換。この歴史的決断は防衛強化への道を開くとともに、欧州全域の財政政策と金融市場に連鎖効果をもたらし、ECBの金融政策運営を一層複雑化させている。
NEKO TIMES 2025.03.21
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こんにちは、NEKO ADVISORIES 岩倉です。毎週金曜日のNEKO TIMESは話題のニュースを取り上げ、経済・ビジネスのトレンドについて解説します。

主要国の政策転換が相次ぎ、グローバル経済の先行きに対する懸念が日に日に強まっています。

トランプ米大統領が積極的に推し進める関税強化の動きは、すでに世界経済に大きな影響をもたらしています。この政策方針によって、米国経済は経済成長の減速とインフレーションが同時に進行する「スタグフレーション」の兆しが見え始めています。これまで世界経済を牽引してきた米国が、むしろ世界経済の重荷になりかねない状況に、世界各国の中央銀行は警戒感を強めています。

日本国内では、日銀が金融政策を維持する判断をしました。植田和男総裁は記者会見で、海外からの不確実性が急速に増していると指摘し、追加利上げについては経済状況や物価動向を慎重に見極めながら決定する考えを示しました。賃金上昇や物価動向は現時点では予想通りに推移しているものの、特に米国の通商政策が今後どのように展開するかを注視する必要性を強調しています。(ブルームバーグ

欧州に目を向けると、英イングランド銀行は3月20日に開催した会合で金利を現状維持とする決断を下し、世界経済の先行きを不透明にする要因としてトランプ政権の関税政策を具体的に挙げています。(ブルームバーグ)欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も、米国による関税強化とそれに対するEUの対抗措置が経済成長を鈍化させ、少なくとも短期的には物価を0.5%ポイント上昇させる恐れがあると指摘しています。(ブルームバーグ)スイス国立銀行も利下げを決定する際、国外の情勢が主要リスクであり、不透明感が著しく高まっていると警告しています。(ブルームバーグ

このように世界経済の先行き不安が強まる中、ドイツで重要な政策の転換が行われました。ドイツ連邦議会は、これまでの厳格な財政規律を緩和する憲法改正案を可決したのです。この決定は、経済成長の促進と欧州の防衛力強化のための軍事支出増加を目的としており、数十年間守り続けてきた堅実な財政運営の方針からの大きな方向転換を意味します。

このドイツの財政政策の大転換は、ドイツ国内だけでなく欧州全体、そして世界経済にも波及する可能性を秘めています。今回のニュースレターでは、このドイツの政策変更の背景と重要性、そして欧州および世界経済に与える影響について解説していきます。

<本日のトピック>
・「債務ブレーキ解除」—ドイツ経済再始動への大転換
・防衛力強化:欧州防衛共同体への布石へ 
・財政拡大の連鎖効果ーECBの舵取り困難に
ー猫組長の編集後記ー

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続きは、4388文字あります。
  • 「債務ブレーキ解除」—ドイツ経済再始動への大転換
  • 防衛力強化:欧州防衛共同体への布石へ
  • 財政拡大の連鎖効果ーECBの舵取り困難に

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